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 落ち着け、とにかく冷静になることが必要なんだ。
 慌てた状態では正しい判断はできない。
 息を吸い、呼吸を整える。
 そして周囲の状況を見るんだ。
 僕の横にいるのはクド、そして鈴。

「わふー」
「ふにゃー」

……うん、何でこんなことになっているんだろう。





『にゃんとわんだふる!』





 原因を探るべく記憶を過去へと遡らせる。
 僕は、鈴と廊下を歩いていたんだ。
 そこに、クドがこっちへとやってきた。

「あーリキーはろーですー」
「ああ、こんにちはクド」
「鈴もはろー」
「こ、こんにちは」

 人見知りな鈴も少しは慣れてきたようで、挨拶ぐらいはできるようになった。
 この成長を僕はとてもうれしく思う。

「そういえばバトルランキングで鈴は5位ですねー。勝負しませんかー」

 ああ、そういえばそんなことやっていたな。僕が運の良さもあって1位になっているけど。
 クドは6位だっけ。確かにバトル条件は満たしている。

「いいだろう」

 急に周囲に野次馬が集まってくる。
 この人たちは一体どこからこの情報を嗅ぎ付けてくるんだろうか。
 ともかく、野次馬たちから色々な武器が投げ込まれる。

「これを使いますー」

 クドが掴んだのはセロテープだった。相手を貼り付けて動けなくするかなり強力な武器だ。

「これでいく」

 一方で鈴が取ったのはバナナの皮だった。直接攻撃はできないものの、ひっかかったら相手は攻撃できずにし かもダメージを受けるというこちらも便利な武器。
 これは先攻を取ったほうが有利か、そう思いながら試合を観戦する。
 先攻を取ったのは鈴だった。

「えいっ」

 地面にバナナの皮を地面に投げ捨てる。トラップ系は増えれば増えるほど後々が怖くなる。
 ダメージを受けるとき、今までのが一気に来るからだ。
 
「れっつあたっくなのです!」

 今度はクドが近づいてきて鈴に勢いよく貼り付ける。

「うわあっ」

 うまく命中! 鈴がダメージを受ける。
 しかし、絡めとることはできなかったようだ。

「えいっ」

 再びバナナの皮を投げ捨てる。これで地面に落ちているのは2個だ。

「わふーっ!」

 次はクドの攻撃、鈴の元へと向かってくる。しかし、途中おかれていたバナナの皮にひっかかってしまった。

「わわわ」

 なんとか体勢を立て直そうとするものの、そこにさらにもう1個のバナナの皮にひっかかり完璧にすべってしまう。

「!!?」

 しかし、滑った先には鈴の姿があった。
 鈴は急いでよけようとするがよけられず――

ごんっ

「「!!!!!!!!!!???」」

 滑ったクドと頭をぶつけあった。
 そのまま2人はその場で気絶してしまう。

「2人とも大丈夫!?」

 慌ててかけよるが2人は目を回していて立てそうにない。
 野次馬がざわめく、恭介はどうやら他の場所でバトル中のようだ。
 ここは僕が治めないと。

「えっえっと、この試合、ノーゲームで!」

 そういった瞬間野次馬がぞろぞろと帰っていく。それでも何人かは気絶した2人を不安がってかその場に残っているが。

「これでいいのかな…? とにかく2人を保健室に運ばないと!」

 2人を心配して残った野次馬の一部に手伝いをお願いして、僕は2人を保健室へ運んだ。



 保健室に先生の姿はなかった。
 2人を保健室のベッドに寝かせた後、僕はその看病をする。
 運ぶのを手伝ってくれた野次馬たちにはお礼を言って教室に帰らせた。

「大丈夫かなあ」

 不安をぽつりと口にする。
 あの時かなりいい音がした。何事もなければ良いのだけれど。
 しばらく2人を見守っていると、鈴が目を開けた。

「……」
「あ、鈴起きたんだね。大丈夫だった?」
「……」

 鈴は僕の方をじっと見つめる。
 そして、ようやく口を開いた。

「にゃあ」
「……にゃあ? はは、どうしたんだよ鈴そんな冗談」
「ふにゃあ」

 鈴は布団から出ると僕の方へと擦り寄ってきた。本当に猫みたいな仕草で。

「え、ちょ、ちょっと待って」
「ごろごろ」

 鈴は気持ちよさそうに僕へと擦り寄る。
 正直何が起こっているのかわからなかった。
 と、そこにクドが目を覚ました。

「……」
「あ、クドちょうどよかった。鈴がおかしくなっちゃって……」
「……」
「クド?」

 クドもしばらく僕の方を見つめてくる。
 ま、まさか……!

「クドもっ!?」
「わふー!」

 クドは笑顔になって僕に抱きついてくる。それはまるで犬が飼い主に抱きつくような感じ。
 どうやら、クドもおかしくなってしまったようだった。



「ふかーっ!」

 僕に抱きつくクドに威嚇する鈴。

「わふぅ」

 クドはというと怯えはするものの僕から離れようとしない。

「どうしよう……」

 そして2人に懐かれながら一人悩む僕。
 どうやったらこの2人を元に戻せるのだろうか。

「わふ?」

 どうしたの?そんな瞳で見つめてくるクド、不安そうにしていたからだろうか。

「ん、気にしないでいいよ」

 そういって頭を撫でる。
 なんか、物凄くそうしたくなる衝動に駆られたからだ。

「わふぅ」

 気持ちよさそうにするクド。
 あ、なんか可愛いかも。

「うー! にゃっ!」
「わわっ! 鈴、いたいって!」

 鈴が手に噛み付いてくる。
 放置されていたことが気にいらなかったのだろうか。
 噛み付いたあと、距離を置いてきた。怒ってしまったのだろう。

「忘れちゃっててごめんね」

 鈴に謝るものの、鈴はこちらを怒った表情をしながらにらんでいる。
 どうしたものだろう。今の鈴と会話はできないし。
 クドと同じことをしてあげたら機嫌直るかな。

「ほら、鈴こっちおいで。なでなでしてあげるから」

 手招きしながらクドの頭を撫でる。これで通じるだろうか。
 すると鈴は多少警戒しながらもこちらに近づいてきた。

「ほら、鈴もいい子いい子」

 猫を相手にするように鈴の頭を撫でる。
 鈴の表情がだんだん気持ちよさそうな顔になっていく。
 どうやら気は晴れたようだ。作戦成功。

「でも、ホントどうしよう」

 状況は何も変わってはいない。
 しかもこんな状況人に見られるわけにはいかないし。
 そんなことを思っていたら保健室のドアを開ける音がした。
 まずい、誰か来たのか? 逃げようにもこの2人を置いてはおけない。
 足音がこちらに近づいてくる。せめて保健室の先生だといいんだけど。
 カシャアッ!
 ベッド近くのカーテンが開かれた。

「……何をしているんだ理樹君?」
「えっと……」

 目の前には来ヶ谷さんの姿があった。
 なんか一番やばい人に見られた気がする。

「わふー」
「うー……」

 クドは友好的な態度を来ヶ谷さんに示すものの、鈴は警戒して僕の背に隠れている。

「ふむ、なるほど」

 僕たちをじろじろと見つめる来ヶ谷さん。
 一体、何がなるほどなんだろうか。

「これから3Pをするのだな。私も混ぜてくれ」
「違うよ!」

 あまりに見当違いな答えにつっこみをいれる。

「冗談だ。理樹君にそんな度胸があるとも思えんしな」
「そういうたちの悪い冗談はやめてよ……」
「しかし、どうやら2人の様子がおかしいようだが」

 相変わらず来ヶ谷さんは察しがいいようで、すぐに今の状況を把握してくれた。
 僕は来ヶ谷さんに何があったのかを説明する。

「なるほど、頭をぶつけ合っておかしくなったと」
「どうすればいいと思う?」
「ふむ……」

 来ヶ谷さんはクドの頭を撫でながら考える。クドは気持ちよさそうだ。
 鈴は相変わらず僕から離れようとしない。

「このままでもいいのではないか。可愛いし」
「さすがにそれはちょっと」

 本気なのか冗談なのかよくわからない。
 可愛い子が好きな来ヶ谷さんだから本気で言ってそうな気もする。

「2人も世話するのが大変なら私が片方預かるが」
「いや、そういう問題じゃ……」

 と、そういった途端クドが来ヶ谷さんから離れ、僕の方にきていやいやと首をふった。
 なんとなく来ヶ谷さんの言った言葉がわかったのだろうか。

「ずいぶんと懐かれているな2人に。うらやましい」

 あ、さっきのは間違いなく本気な気がする。
 本当にうらやましそうな目で見たし。

「まあ、同じ状況を引き起こすというのが妥当だな」

 来ヶ谷さんが意見を出す。どうやら真面目にも考えていてくれたようだ。

「同じ状況……」

 クドと鈴がもう一度頭をぶつけ合うか。
 2人を見る。不安そうな顔。
 ものすごく危険だからできればやりたくない。2人の顔を見たらなおさらそう思う。

「うーん、できればそういう危ないのはちょっと」
「そうか、まあ今日一日様子を見るのもいいのではないか。時間が解決してくれることもあるだろう」
「それしかないのかな」

 いつ治るかわからないけど、考えうる手段が手段だからそれは最後にとっておきたい。
 一日様子を見るというのはいいかもしれない。

「んじゃ、そうしてみることにするよ。ありがとう来ヶ谷さん」
「どういたしまして。それでは私は行くとするかな」
「え、保健室に何しに来たの?」
「眠りに来ただけだが、それ以上にいい暇つぶしができた。感謝するぞ」

 感謝されるようなことは何もしてないんだけど。
 クドと鈴は来ヶ谷さんの前に立ち、頭をたれる。
 僕がお礼を言ったから2人もお礼をしたのだろうか。少しは言葉が伝わっているのかもしれない。

「ああ、そうだ。お礼にこれをやろう」
「お礼?」
「うむ、大事に使うとよい。そうだ、私が直接つけてやろう」

鈴は猫の首輪を手に入れた! クドは犬の首輪を手に入れた!

 鈴は猫の首輪を装備した!
 忠誠が30UP!
 魅力が60UP!

 クドは犬の首輪を装備した!
 忠誠が50UP!
 元気が50UP!

このアイテムは外すことができない!

「……ってちょっとこれ!」
「ではがんばってくれたまえ。飼い主君」

 はっはっはと笑いながら保健室を去っていく来ヶ谷さん。首輪は2人の首にしっかりとついている。
 しかも外そうとしても外せない。鍵でもかかっているのだろうか。
……というかこんなものどこに持っていたんだろう。
 とりあえず、来ヶ谷さんを探して首輪を外してもらわないと。でもそうすると外に出ないといけない。
 そもそも、首輪をしている以上先生に見つかってもやばいからここは離れないと。
 正直、今日一日だけでも様子を見るといったけれど、かなり大変かもしれない。

「にゃ?」
「わふ?」
「大丈夫、大丈夫だようん……」

 2人になぐさめられている気分になりながら、僕は必死で自分を勇気づけるのだった。



つづく?



あとがき
……え、続くの?<自分で書いてて
このSSを書くきっかけはこんな感じ。

鈴は猫ちっくでクドが犬ちっくかあ→よし、本当に猫と犬にしちゃおう!
(神主あんぱんの通信簿 物事を短絡的に考えすぎる傾向があります)

いや、でも本当にこんだけしか考えてなかったんで唯湖が出てきたりするのは書いていた俺でも予想つかなかっ た。流石俺、伊達に行き当たりばったりでSS書いてないぜ(良いSS書きは真似しないように)。
実際つづきなんて考えてないです。ただ、話が全く解決してないし、もうちょっと考えればネタが出そうなんで 『つづく?』としています。要望高ければすぐにでも取り掛かるかもw




何か一言いただけるとありがたいです。