はーいみんな〜遠野 翡翠だよ〜









……だめですね、やはり明るいキャラというのは私には似合わないようです。
 あらためまして、遠野 翡翠です。コノ響きは何度言ってもよいものです(うっとり
 今回は、ちょっとアルクェイド様について考察してみました。


何故彼女があれほど人気があるのか。


 私が必死になって考えた結果、ある結論に達しました。なお、この考えはあくまで私個人のものなので、決して信じたり言いふらしたりしないでください。
 その結論、それは……



『アルクェイド=ドラ○もん説』



 一体これを見て何人の方が唖然としたことでしょう。あきれている人もきっといるはずです。月姫SS-Linkから飛んできた人は「だまされた!」とか思っていたりはしないでしょうか?
 
 しかしよく考えてみてください。

 アルクェイド様の特殊能力には『空想具現化』というものがあります。アルクエイドら真祖が使える能力。文字通り、頭に思い描いたものを物質化、具現化してしまうというとんでもない能力です。
アルクェイド様の場合は、リミッターを解除すれば山奥に1つの街を作り上げることすらできるとか。そういえば本編ではお城を作ったとかもありましたね。
 そう、もう大体の方はお分かりになられたのではないでしょうか。つまり、




『空想具現化=四次元ポケット』




なのです。
 ドラえもんはよくアニメのキャラクター人気投票で1位を獲得していますが、そのほとんどの要因はこの『秘密道具』にあると私は考えています。つまり、アルクェイド様にも同じことがいえるのではないか、私はそう考えたわけです。
 

 しかしそれ以外にも何かあるのではないか、まだ何か見落としてはいないか。


 そう思った私はこの説をさらに深く考えてみました。すると、あることが考えられるのです。



 それはコスプレです。



 厳密には違いますが、例えばドラえ○んの場合はドラえもんズのように、似ているけど微妙に服装とか色が違うキャラがたくさんいます。
 アルクェイド様だって歌月十夜ではメイドさん(そういえば私のを盗まれたのでしたね、思い出すたびに怒りに震えてしまいます)、某小説ではナース姿など、色々コスプレをしました。小説の方はファ○通文庫の方であるのでそちらをお買い求めください(宣伝。
 それはともかくといたしまして、これだけ言えばアルクェイド様がどれだけそういう手でファンの人気を勝ち取ったかが理解できたでしょう。
 つまり、私もコスプレさえすればそこら辺の人気を獲得できるわけです! いえ、あーぱー吸血鬼にできて私に出来ないわけがありません! 
 そういうわけで、私はまたコスプレに挑戦しようと思います。





『翡翠、(まだまだ)頑張る』





 さて、三回めともなると並みのものでは志貴様にダメージを与えることは不可能でしょう。何故ならば、私が今までしたことに対して耐性を持ち始めるからです。

 一回目は裸エプロンでした。二回目は猫耳+制服でした。では三回目は?

 私は必死になって考えました。というのも、確かに萌えコスプレはたくさんあれど、時期との相乗効果によってさらに強力になるものもあるからです。例えば春には制服です。夏には水着。秋にはブルマ。冬には巫女というようにです(偏見
 しかし、今回はあえて時期とは関係のないものを使ってみようと思います。というのも、今の季節は微妙に半端すぎて水着にはちょっとアレだからです。
 しかし、この制服。使う時期は限定されていないものの、ある意味使うタイミングというものが限定されているため非常に使いにくいのです。何かきっかけがあればよいのですが……
 そんなとき、ふと姉さんが向こうの方からやってきました。姉さんは慌てているようです。何かあったのでしょうか?

「姉さん、そんなに慌ててどうしたんですか?」
「あっ! 翡翠ちゃん!!」

 どうやら姉さんは私の存在に気づかないほど慌てていたようです。いつもなら私に発信機をつけているかのように目ざとく見つけるのに……これはよほどのことなのでしょう。

「あのね、翡翠ちゃん。志貴様が風邪をひいたの!」



「ナイスタイミングです!」

 私は思わずガッツポーズをしてしまいました。姉さんは不思議そうに見ていますがこのさい関係ありません。

「姉さん、志貴様の看病は私がします! 部屋の中には誰も入れないでくださいね!」
「えっええ……」

 私は強く念を押します。姉さんも、私の鬼気迫る姿を見るのは初めてのためかちょっと冷や汗をたらしながらOKをだしました。
……いつもならあっさりとかわす姉さんがこの反応だったから、よっぽど私はすごい顔をしていたのでしょう。自分ではよく分かりませんが。

「志貴様、待っていてくださいね! 今看護に向かいますから!」

 目にもとまらぬ速さで私は自分の部屋にまずは向かいました。姉さんがポカンとした感じで見ていたのも当然無視です。
 今回こそ、今回こそは志貴様でもK.O.させてみせます!




『ゴホンゴホンッ! あ〜こんな季節外れに風邪をひくなんてついてないなあ……』

 扉越しに志貴様の声が聞こえてきます。志貴様には悪いですが、今回ばかりは風邪に感謝していたりします。
 というか多分この風邪は神様が私と志貴様がくっつくように仕向けたものに違いありません!
 神様はいないなんて思ったこともありましたが、今は神の存在を信じます。吸血鬼も実在したことですし。

「志貴様、看病に参りました。入ってもよろしいでしょうか」
「あ゛〜どうぞ入って」

 気だるそうに志貴様が答えます。

「それでは、失礼します」

 私はそういって中に入ります。

と、中に入った私を見ると同時に志貴様の目が丸く開きました。

「ひっ翡翠……!」
 
 とりあえず今回も最初のインパクトは大成功のようです。
 なにせ、今の格好は『ナース』、ある意味(?)流行ですし、もうすぐ絶滅してしまうかもしれないという貴重なコスプレです。
 当然下のほうは短くなっていて、腰を曲げると見えるようになっていますし、ご丁寧に平仮名で書いた名刺もちゃんと胸についています。当然胸のチラリズムも忘れていません。そしてとどめの看護帽。
 実際のナース服はここまで萌えではないのですが、浪漫のナース服を着ることによって男の欲望を引き出すようにしてみました。
 熱は上がってしまうかもしれませんが、運動して汗をかけば治りも早いと思いますしね♪

「どうしました?」

 あえて、何も知らないふりをします。志貴様は目をそらしつつも、チラリチラリといたる所を眺めています。ふふ、もっとじっくりと眺めていいんですよ? もし志貴様が望むならもっと奥の方も……♪

「そ、その格好は一体……!」

 案の定、志貴様は私が予想していた『尋ねてくるだろう質問』第1位のものを聞いてきました。もちろん、既に答えはできております。

「いえ、志貴様の看病に行きますと姉さんに答えたら『これを着ていけ』と……」

当然これは嘘です。しかし、志貴様は

「やっぱり琥珀さんか……」

と答えました。『やっぱり』とつけるあたり、志貴様における姉さんの評価がわかります。まあ、私もそれを予想してこう答えたのですけど。

「ではまずは汗を拭きます」
「ひっ翡翠!?」

 私は志貴様に近づいて着ていた服を外していきます。次第に露わになっていく志貴様の裸(ぽっ
……いっいけません! 私のほうがうっとりとして我を忘れてしまうところでした。
 これ以上志貴様の裸を見て完全にトリップしてしまうと全てが台無しになってしまうため、仕方なく私は下を向きながら志貴様の服を外します。顔は既に真っ赤です。

「ひっ翡翠……」
「……?」

 やけに志貴様が気まずそうなので顔の方を向いてみますと、志貴様は目を横にそらしています。
……ああ、私がうつむいてしまったから胸が見えてしまったんですね。いいんですよ志貴様、もっとゆっくりご覧になって。

「では、汗をお拭きします」
「あ、ああ……頼む」

 志貴様はかなりドギマギしています。かくいう私も緊張していたりするのですが。
 何せ愛する人の肌にじかに触れるのです。個人的にはそのまま胸のうちに飛び込みたいところですが、さすがにそれは変なのでやめておきます。……これは最終手段ですね。どうしようもならなくなったときの。
 志貴様の肌を軽く撫でるようにして汗を拭いていきます。志貴様は結構汗をかいていたようで、拭き終わったときにはタオルの表面が濡れていました。
志貴様の汗を拭いたのはいいのですが、実は私のほうも緊張からの開放からか汗だくだくになってしまいました。いっそのこと、ここで体を拭いてしまいましょうか……駄目ですね。志貴様から手を出すようにしむけるから意味があるのです。第一、こんなところでそんな行為に及んだら逆にひいてしまう可能性の方が高いです。

「終わり……ました」
「あっありがとう……」

 微妙に気まずい雰囲気が流れます。これでは志貴様も私を襲おうにも襲えませんね。
……仕方ありません、この手を使いましょう。

「志貴様、熱はどうでしょうか」

 私は、そういって志貴様の熱を測りました。

自分のおでこと志貴様のおでこをくっつけて。

「!!」

 志貴様は何が起こったのかわからないという表情をしています。
 間近に来る女性の顔、匂い、その無防備さ。この技で堕ちた男性は結構多いみたいです。

「……まだ微妙に熱があります。そのまま安静にしておいてください」

 私はしばらくそうしたあと、おでこを話します。

「も……もう限界だー!!」

 志貴様は私の方へと体を飛び込ませました。

「きゃっ♪」

 私も驚きつつも嫌がっていないという非常にあいまいな声を出し、志貴様に押し倒されます。
 ああ、ついに私は完全に志貴様のものとなるのですね。何回もやって結構ですよ♪ 私頑張りますから。そうでした。秋葉様や姉さんへの報告も忘れてはいけませんね。姉さんはまあ許してくれるでしょう。その後も志貴様にアタックをしかけてきそうですが。問題は秋葉様ですね。どうしましょう。いっそのこと見知らぬ田舎にでも逃げましょうか。そうすればアルクェイド様やシエル様の追撃も逃れることができますし。そうですね、それでいきましょう。そしてそこで小さな結婚式を挙げて、小さな家を建てて、ひっそりと暮らして、でも大きな幸せに満ちた家庭をつくるんです。これ以上のことはないでしょう。あとレソ……

「……?」

 しばらくして、志貴様は一向に動かないことに気づきました。
 私は気になって少し起き上がってみると――志貴様は、横になったまま気を失っていました。

「……! しっ志貴様!!」


……結局、今回も未遂に終わってしまいました。
 でも、今回はいつも以上に進展したと思います。『も……もう限界だー!!』という欲に従った声も出てきましたし。
 次はもっともっと萌えな格好をして、志貴様の浪漫回路を刺激したいと思います。
 そして次こそ! 志貴様と(ピー)して(ピー)して(ピー)してみせます!!



終わり