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 穏やかな日。
 なんというか、特別な日だった。
 僕らはいつも騒がしい。
 リトルバスターズのメンバーがいれば、騒ぎが絶えることはない。
 その中でも、楽しいことが大好きなリーダー、恭介は別格だ。
 常に何かしら面白そうなことを考えている。
 だから、こんな風にゆっくり音楽を聴いていることなんていうのは、とても珍しい。
 僕と恭介は、二人で音楽を聞いていた。
 特に何かを話すわけでもない。
 ぼうっとしている。
 一人だと時間を浪費しているだけに感じるかもしれない。
 けど、僕にとってはリトルバスターズの誰かと過ごす時間に、無駄な時間なんて少しもなかった。
 ただ、いる。
 それだけでも、なんとなく嬉しくなる。



『透き通る夢を見ていた やわらかい永遠』

「なあ、理樹」
「……ん?」

 なんとなく。
 まったりしすぎてて、反応が遅れた。

「お前はさ、ずっと続いて欲しいって思ったことがあるか?」
「……そうだね」

 何を? とは聞かない。
 珍しく、恭介も昔を懐かしんだりしているんじゃないかと思う。
 いつも前を向いている恭介も、こんな日にはそんな気分になるのかもしれない。



『光の中揺らめいた 言葉も想いも全部 残さず伝えて きっと』

「俺はさ、変わることだっていいことだと思うんだ。もちろん、いつまでも続くものだって大切だが……本当にいつまでも続くものなんて、そうあるものじゃない」
「恭介……」

 やっぱり、恭介はそうなんだろうか。
 恭介は、一人だけ先に社会に出る。
 それは、とりもなおさず僕らの変革を生むだろう。


『不確かな気持ちを抱く どうしても不安で』

「恭介はさ、強いよね」
「いや……そうでもないさ」
「そんなことないよ。だって、僕はそんな風に思えない」
「お前だって、そう思うときが来るさ。きっとな」
「だと、いいけど」

 恭介は、僕の憧れだから。
 恭介のようになれたらって、ずっと思ってたから。



『今はまだ知らないけれど いつかその目にうつる時が来る』

「ああ、大丈夫だ。俺が保障する。お前はきっと、強くなるさ」
「そう、かな。だったら嬉しいけど」
「ああ。皆もいることだしな」

 確かに。
 この個性的なメンバーにもまれたら、少々のことでは動じなくなる。



『世界は続いている 君を目指しながら』

「時間は少ないが、まだある。お前のために費やしてやれる時間がな」
「そんなことしてて、就職活動のほうは大丈夫なの?」
「ああ、その点は抜かりないさ。だから理樹も安心して鍛えられろ」



『重ねた手と手の中に 小さな未来が見えたら』

「そうして、鈴と支えあっていってくれれば、俺も安心できる」
「真人や謙吾は?」
「あいつらは大丈夫だろ。俺が気がかりなのは、お前たち二人のことだ」
「はは、大丈夫だよ。鈴も、皆と接するようになってからはずいぶん人見知りしなくなったし」
「まあ、確かにな」
「僕は……ええと、なんとかするよ」
「お前ら二人がくっつけば、なんてな」
「はは。そうだったらいいかもしれないね」

 うん。
 それは、なんだか楽しいかもしれない。
 それに、鈴はこの春からずいぶん成長してる。
 結構頼りになるんだ。



『記憶を さあ解き放とう まっすぐな心の先に 繋がる時間があるから』

「ああ。恋人が出来たら世界が変わるぞ。まさに、新しい時間が動き出すって感じだ」
「……恭介だって恋人作ったことないじゃない」
「詳しくは、世界名作劇場DVDを参照だ」

 和やかな空気。
 まるで、停滞した時間のよう。
 今が穏やか過ぎて、いろんなことが遠くに思えた。





 ……ああ、やってきた。




『重ねた手と手の中に 小さな未来が見えたら』

「その時が来たら、さ」

 返事は出来ない。
 僕は、唐突な眠りにいざなわれ、意識を暗闇に落としていく。



『光の中揺らめいた 言葉も思いも全部 遥かな君まで 残さず伝えて きっと』

「お前には、伝えたいことがあるんだ。……あの世界で俺たちが感じたこと、全て、お前に伝えるから」


























 あとがき

 今回はかなり変化球でいってみました。クラナドとリトバスのクロスオーバーです。
 クラナドアニメ化記念。メグメルの歌詞でリトバスもいけるじゃん、という話でした。
 要するに、どちらもKEYってことですね。
 時系列的には鈴BADから鈴ノーマルまでの間。理樹も鈴も強くなっている最中で、誰のルートも入らなかった場合の、最後の日の一幕です。
 雰囲気的にタイトルコールもなかったり。たまにはこんなのもありではないかと思います。



何か一言いただけるとありがたいです。