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プロローグ





――4月29日、学校のグラウンド。打席に立つ俺に皆の声援がかかる。

「いっけぇー!! そして勝利を持ってきやがれ」

 最後に打てとアドバイスをしたオッサン。

「ドカンとやっちゃいなさいよ!」
「岡崎くん頑張ってください!」
「大丈夫だ、お前ならやれる」
「見せてきなさい、男ってやつを」
「後には風子もついてます! 安心して打っちゃってください!」

 一緒に戦っている杏に古河、智代。美佐枝さんに風子。

「お前なら…やれる」
「岡崎さんならいけますよ!」

 塁に出ている芳野さん、芽衣ちゃん。

「岡崎くん頑張ってください!」
「朋也くんファイトなの」
「朋也さん頑張ってください」
「頑張ってくださいね」

 応援席にいる藤林、ことみ、宮沢、早苗さん。皆の声援をバックに、

「僕まで打順を回してくださいねえ!!」

……訂正、一人の馬鹿を除いた声援をバックに、俺はバットを深く握り締めた。
そして、


カィーーーーーーンッ!


白球が舞う。

「回れ、回れーーーーッ!!」

声が聞こえる。打球はフェアになったのだろうか、とにかく走る。
 ふと、守備側の人がくやしそうに下を向いているのが目に付いた。
 速度を落とし、ゆっくりとダイヤモンドを走る。

 ホームには皆が待っていた。

「俺の期待に見事に答えやがったな、この」
「やるじゃない、朋也。見直したわよ」
「すごかったです、岡崎くん」
「かっこよかったぞ」
「あんたもたまにはやるじゃない」
「んー今回だけは立派だったです!」
「ふっ、見事に花開いたな…」
「やりましたね岡崎さん」
「岡崎くんすごいです!」
「とってもかっこよかったの」
「見事でしたよ〜」
「すごいですね、岡崎さん」
「ちっ今回だけは譲ってやるよ」

 皆の賛辞の声が勝利をしたという事実を改めて認識させる。それと同時に喜びもさらに膨れ上がる。
 この日、俺は皆に胴上げされながら思った。今日という日、そして俺の高校3年時代は高校生活、いや人生の中で最も充実した日々になるだろうと。
……そして、それは決して間違いではなかった。





1話