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『僕の佳奈多がこんなにダメなわけがない』





「人生相談があるの」

 いきなり佳奈多さんがベッドで上体を起こした僕に、覆いかぶさるような姿勢で四つん這いになっている。
 ここは寮でしっかりと鍵は閉めておいたはずなんだけどどうやって入ってきたんだろうか。
……まあ、佳奈多さんだから余裕で鍵借りれるか。

「……人生相談?」

 僕と付き合い始めてから本性を表したというか、ひっじょーにダメになった佳奈多さん。
 僕もそんな彼女のとんでも行動に慣れてきたからか、この程度のことではさほど動じず、冷静に質問に対して疑問を返す。

「子供って、何人くらいほしい?」
「どうせそんな質問だろうと思ったよ!」

 ですよねー!
 佳奈多さんが友人との関係に悩んでいるとか、進路について悩んでいるとか、実は隠れオタクで、そのことをこっそり知っておいてほしかったとか、そんなことは全くなかったよ!

「だって、そういうのって大事じゃない。私としては多くても2〜3人をオススメするわ。あまり多すぎても生活が大変になるだけだろうし。あ、でも10人以上生まれるレベルの繁殖行動に関しては大丈夫よ。避妊はちゃんとするから」
「いやいやいや! まだその段階じゃないでしょ!」
「ああ、確かにそうね。まずは結婚式の予定をたてることからよね。会場、呼ぶ人、新婚旅行――考えることはたくさんあるわ。流石ね、直枝」
「や、そうじゃなくってさあ……」
「んん……どうした理樹、何かあったのか」

 やばい、ちょっと大きく声を出しちゃったものだから下で寝ていた真人が起きてきた!

「あ、えっとちょっと寝言で――」
「ああ、直枝のことばかり考えてて邪魔者のことをすっかり忘れていたわ。仕方ないわね……」

 佳奈多さんがベッドから降り、下で寝ている真人の方へと向かっていく。

「ん? おめえ何でここにい……んが!?」

 真人の悲鳴と強烈な打撃音がした。何が起こっているのか怖くて下が見れない。

「お、おい! 待て! そんなことされたら死――がっ! ぎっ! ぐへっ!?」

 何度も、何度も響く鈍い音。思わず耳をふさいでしまった。
 やがて音がしなくなり、階段を登る音がする。

「ふう、やっと静かになったわ」
「そ、そう」

 つっこんじゃいけない、つっこんじゃいけないんだ。
 なんで顔に軽く血がついてるのって。
 何で真人の寝息すら聞こえてこないのって。
 さらになんでわざわざまた僕の上に乗りかかるのって。
……最後のはつっこんでも良かった気がする。

「大丈夫、峰打ちよ」
「僕の心の中読まれてる!? それに峰打ちって実際は安心出来ないんだよね……」

 実際は刀身という鉄の棒で強く叩かれる訳であり、当然に骨折などの大怪我や当たり所によっては死に至ることもあるんだそうな。

「で、人生相談ってさっきのことだけなの?」
「違うわ。さっきのも大事なことだけど」
「そう、じゃあ早く終わらせよう……」

 正直、寝たい。
 真夜中に起こされたってのもあるし、夢ということにして終わらせたい。

「で、なんなの?」
「直枝がどうやったらもっとこっちを向いてくれるか、ということよ」
「本人に直接聞くんだ!? いや潔いけどさ!」

 こういうのって、一旦周りに相談するもんじゃないの?
 佳奈多さんのこういうときの大胆さには尊敬すら覚える。

「で、どうなの直枝。私としてはもっと目立ってみるとか考えたのだけど」
「い、いやこれ以上目立たなくてもいいから」
「キラッ!」
「何そのポーズ!?」
「アイドルのポーズよ。これやると銀河の歌姫になれるらしいわ」
「少なくともそれだけじゃなれないと思うよ……」
「じゃあ……綺羅星!」
「微妙に変わってる!?」
「団員証明に使うらしいわ」
「なんの!? と、とりあえず目立つのはやめようよ」
「直枝がそういうなら仕方ないわね……」

 ちょっとだけ佳奈多さんが残念そうにしていたけど無視することにした。

「私も『銀河美少女か!』って言われたいわ……」

 無視といったら無視、突っ込んだら負けだ。

「そ、そうだなあ。僕としてはもっとお淑やかになって欲しいかな」

 うん、今すごい無理な注文した。
 でも望んでいることだから仕方ない。もう少し落ち着いてくれれば、僕の好感度もきっとうなぎのぼりなはずなのだ。

「うん、それは無理な相談ね」
「ですよねー! やっぱそうだよね!」

 てっきりこの後、
『そう、じゃあやってみるわ』
『はは、やっぱ無理……えっ?』
『こんな夜更けに失礼しました、それでは直枝様、ご緩りとお休み下さいませ』
『えっ、ええー……』
と、こんな感じに漫画的展開になるかと思ったけどそんなことはなかったよ!

「まあ冷静に考えて、そんなことやったって誰かの得になるわけではないわ」
「いやいや! 僕の得になるから! だからこそのお願いごとだから!」
「そもそも、直枝とラヴラヴになるためのことなんだから、お願いごとが決してメインなわけではないわ。それこそ本末転倒よ!」
「いや人の話聞いてよ! 完全スルーしてるよね!?」

 ダメだこの佳奈多さん! フリーダム過ぎるよ!

「と、いうわけで直枝。この体勢の意味わかっているわね」
「え、この体勢って伏線だったんだ……って佳奈多さん何上脱ぎ始めてるの!?」
「やっぱり、ラヴラヴになるためにはまず身体を悦ばせるのが一番だと思うのよ」
「いやいやいや! ダメだからダーメーだから!」
「イヤイヤ言っても身体は正直なものよ。だから流されるままに貪りあいましょう」
「ここで流されたら色々と負けてしまう気がする! だから僕は最後まで戦う!」
「これが私の夢! 私の望み!! 私の業!!!」
「それでも・・・守りたい貞操があるんだ――!」


――結局その後、なんとか粘り勝ちしたものの、一睡もできなかった僕は学校の机の上に突っ伏すことになったのであった。

「おいおい、大丈夫かよ理樹」
「いや、うん。真人こそ大丈夫だったんだね……すごいや真人」



終われ

あとがき
 ダメかなってこんなノリだったよなあと思いつつ、ここで思い出してもらっとかないと同人誌のおまけみたいな感じでつけているダメかなについていけないだろうと思って書いてみました。私はこの佳奈多さん大好きです、書きやすいし。ただ、こんなのリトバスの佳奈多さんじゃないけど(ぇ



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