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これは僕と彼女のある朝の一幕


今、僕は女子寮に向かっている。 理由は恋人である唯湖さんを起こしに行く為。

なんでこんな事になってるかと言うと、それは昨日…

「理樹君、明日の朝私を起こしに部屋まで来てくれないか?」

「唐突にどうしたの?」

「いや、ただ理樹君に起こしてもらいたいだけだが?」

相変わらず自分の欲求に素直な人である。

「それって普通男女逆なんじゃないかなぁ?」

素直な感想を言ってみたものの。

「理樹君、今のご時世そんなものはナンセンスだぞ? だいたいとある北の町じゃ従兄弟の少年に毎日起こして貰ってるという
寝ぼすけな女の子も居るんだからな」

「でも、来ヶ谷さんは寝ぼすけってキャラじゃないよね?」

「まぁどちらかと言うと、朝早く起きてから理樹君が寝てるベッドに潜り込む方だな」

唯湖さんは本当に自分の欲望に忠実だ。

「だったら僕が起こしに行く必要無いじゃない。それにUBラインの事も有るし」

「それなら心配要らない、私から話をつけておく。安心して私の部屋に来れば良い。恋人の無防備な寝顔を拝めるチャンスだぞ?」

「いや、でもね?」

「ええいうるさいだまれこの朴念仁」

うわ、久々に出たこの台詞。

「朝起きた時、一番最初に理樹君の顔を見たいと思ったって良いじゃないか?」

「あうっ」

急にしおらしくそんな事言うなんてズルい。可愛過ぎるよ。

「こうなったら私が理樹君の部屋に朝から襲撃するまでだ。 君の布団に潜り込んで抱き締めて誰かが来ても絶対に離してやらん。 
朝から部屋に女の子を連れ込んだ伝説の勇者様として卒業まで崇められつつ過ごすが良い。」

しまいには洒落にならない脅迫まで飛び出した。やる、唯湖さんだったら絶対にやる。

「是非起こさせて下さい。」

「最初から素直にそう言ってくれれば良かったのだよ」

とこういう訳。


そして、今僕は女子寮の来ヶ谷さんの部屋の前に居る。

実際女子寮入り口前では入り口を守ってる子から

「来ヶ谷さんから話は聞いてるから通って良いわよ。羨ましいな〜、来ヶ谷さんはラブラブで。」

と冷やかされつつだけどすんなり通された。

「来ヶ谷さん。起きてる?」

とりあえずドアをノックして呼びかけてみるけど返事は無い。

まぁここで返事するようなら起こしに来いなんて言わないんだろうけど。

「唯湖さん入るよ?」

一応断ってから、ドアを開けて中に入りベッドに向かう。

ベッドを見ると唯湖さんが気持ち良さそうに寝ていた。 

「うわぁ」

無防備にすやすやと寝てる唯湖さんは、正直可愛くてちょっと見蕩れてしまった。

「さてと、唯湖さん起こさなきゃね」

見蕩れてた事を少し恥かしく思いながらも気を取り直して唯湖さんに声を掛ける。

「おはよう唯湖さん。朝だよ、起きて」

「ん? あぁ理樹君かおはよう。」

寝起きは良いらしく唯湖さんはすんなり起きた。

「約束ちゃんと守ってくれたんだな」

「それはもちろんだよ」

破ったらその後のお仕置きが想像を絶する物になるし。

「せっかく起こしに来てくれてすまないが、後五分くれ」

そう言うと布団を被ってベッドに潜り込んでしまう。

「えぇ? 何そのお約束な台詞。目が覚めたなら起きようよ?」

「いやだめんどくさい」

「も〜、そんな事言わないで朝ご飯食べに行こうよ?」

「理樹君は本当に真面目だなぁ」

「唯湖さんが不真面目なだけだよ」

「ほう、おねーさん相手に良い度胸だな理樹君。そこまで言うならいっそ不真面目を貫いてやろうじゃないか」

「うわっ? ちょ、ちょっと?」

そう言うなり、僕はいきなり強い力でベッドに引きずり込まれて抱き締められる。

「ちょ、唯湖さん。その格好は?」

「うむ、朝から起こしに来てくれた理樹君へのサービスだ」

だからって素肌にYシャツとパンツだけって朝から刺激が強すぎるっ。

「ふふふ、折角だからこのまま一日過ごすのも良いな」

「いやマジでヤバいってば、お願いだから離してっ!」

本当に色々ヤバい、主に理性が。

「理樹君の頬は気持ち良いなぁ。実に良い、病みつきになりそうだ」

抱き締められつつほお擦りされる。いや気持ち良いんだけどさ。

「こういう展開も男女逆だよね普通」

もう溜息しか出ない。

「なんだ、理樹君は朝に君を起こしに部屋に来た私をベッドに引きずり込んで襲いたかったのか?」

「どうしていつもそこで極論になっちゃうのさ?」

「仕方が無いな、明日は私が君を起こしに行ってやろう。遠慮なく押し倒すと良い。喜んで受け入れてあげよう」

「お願いだから人の話聞いてよっ!」

朝起こしに来てくれるってシュチュエーションは嬉しいけどその後が無茶苦茶過ぎる。

「ねぇ、本当に遅刻しちゃうから起きようよ」

「分かったこれより先は次の休日まで取って置く。だからその代わりにキスしてくれ」

「えー!?」

またもや無茶振りしてくる。

「なんだ、それも嫌なのか?」

だからそんな風に拗ねないで欲しい。

「…嫌じゃないです」

「そういう正直な理樹君が私は好きだよ。それじゃあ、ほら」

そう言うと唯湖さんは目を閉じた。

「「んっ」」

「これで良い?」

「ああ、合格だ」

どうやら今度こそ本当に起きてくれるようでほっとする。

「さて、理樹君今から着替えるから外に出ていてくれるか? まぁ唯湖さんの生着替えだうへへへへと言いながら見ていても
私は一向に構わないんだが?」

「いやいやいや僕は物凄く構うから、外に出てるからすぐ来てよ?」

「はっはっは」

この後は特に何事も無く二人一緒に登校した。

翌日、本当に来ヶ谷さんが起こしに来てまた騒ぎになるんだけどそれはまた別のお話。

また、次の休日唯湖さんの言った通りになったのもまた別のお話。