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「こちら恭介!ターゲットa・b駅前を突破。オーバー」
「こちら謙吾。a・b、共に商店街に侵入。後、理樹もう少し下がらないと
気付かれるぞ。オーバー」
「了解。オーバー」
そして今僕達はみんなで力を合わせてストーキングまがいの行動を行っている。
皆各箇所に分かれて二人を監視している。ちなみにaが鈴でbが男だ。
僕は並んで歩く・・・というか何故か鈴が先頭を歩き男がそれに続くといったまるでドラ●エの進行形態のように、縦に並んで歩いている二人を後ろから追う形で歩いている。
ほかの皆とは別に恭介と来ヶ谷さんは指定地なしに常に情報を送り続けている。ここから見渡してもまったく見当たらない。きっと二人とも将来はsatとかの対テロ特殊奇襲部隊に配属されているに違いない。・・・日本の将来は安泰だ。
・・・しかし、たまに曲がるときなどに歩きながら男のほうの顔を見ているが、外見は正直、男の僕から見てもお世辞なしで格好良かった。さらっとした纏まった髪に、決め細やかな肌に描かれたような端正な顔立ち。体格は長身で引き締まった体系をしている。
恭介も負けず劣らすな外見をしているが、それとは正反対のどこか大人びた雰囲気をかもし出している。・・・・僕は見ていて溜息しか出なかった。
「はぁ〜〜…」
僕は今日何度目の溜息をつく。
「どうした理樹?さっきから溜息ばっかりだぞ?おーばー」
この日のためにそれぞれに配られた改造携帯から恭介の声が聞こえる。
恐らく無意識のうちに出していた溜息は携帯を介して皆に聞こえていたのだろう。
「・・・いや・・ちょっとね・・・」
「わかっているよ、相手の男を見て、くそう・・僕の鈴をとりやがってぇ・・・誰の物だと思ってるんだ。・・にしてもかっこいいな・・・寧ろ僕がお前の彼女になって・・ハァハァ・・・とか思っているのだろう?」
「思ってないよ?思ってないからね!?」
「恋敵の完璧な美少年と嫌がりながらも徐々に引かれていく直枝さん・・・・ごふっ!」
「わふっ!西園さんが吐血しました!?本屋が惨劇の模様です!」
「・・だ・・め・・私の部屋に・・・薄い本たちが待っている限り・・・私は・・死ぬわけには・・・」
「みおちゃん!?動いちゃだめだよ!その出血量間違いなく致死量だからね!?」
「皆・・西園女史に・・・・3分間の黙祷・・・!」
「殺しちゃ駄目だよ!」
「・・・おい!それより皆さっきからオーバー使ってねぇじゃねぇか!オーバー」
「なんだとぅ!?・・・そういえばそうだ。オーバー」
「もういいじゃないか・・・だっていちいち言うのめんどくさいしな・・・」
珍しく恭介が折れた!?しかも何か堕落している!
「まぁ一々オーバー言わなくても同時会話可能だからな・・・」
「!?こちらはるちん!皆ちょっと静かに!オーバー!」
葉留佳さんは話を聞いていなかったのだろうか?

「どうです?お昼も近いことですし・・・どうです、お食事でも。無論奢りますよ?」

僕等がターゲットにしていた男の声が聞こえる実は前に鈴の髪飾りに付けていた盗聴器は今尚付いたままで、恭介はそれを見越して今
度はノイズも出ずに皆にもリアルタイムで会話が盗聴できる形携帯を開発したのだっ
た・・正直恭介はこの道に進めば一生食べていけるのではないか?

「・・・・・・」

鈴は無言だ。が何処か唸る様な声がする。悩んでいるようだ、時刻は12:00を過ぎ
ている。ちなみに僕達は恭介から支給された購買部で買ったアンパンとパック入りの牛
乳で空腹を満たしている。・・・立ち食いするのならばほかにも色々ファーストフード等
があったが、その点については何故か頑なに譲らなかった。まぁ刑事ドラマの様で皆、
賛成していたのだが・・・・

「わかった・・でも歩きながらでいい」

鈴は何故か店内に入って食事をすることを拒んでいるようだ。
「うーん・・・どういうことかな?」
「おそらく気恥ずかしいんですネ」


その後、タ−ゲット二人は近くに合ったファーストフード店の王道マクド●ルドのハンバーガーとコーラを両手に次の目的地に向かっていた。ちなみに男は原点とも言うべきノーマルのハンバーガーを購入し、鈴はフィレオフィッシュを満足そうに咀嚼していた。

そして丁度購入したハンバーガーが食べ終わったあたりで二人は次の目的地にたどり着いたのか、建物の中に入っていった。見るととても大きな店だ。大型スーパーなどといった無作法な大きさではなく、高級そうな洋服が淡い蛍光色でライトアップされをガラス張りにして店の外から見えるようにしたり、壁もただコンクリートで固めてあるのではなく王族の城や屋敷のように几帳面に模様が施されてある。そんな店の外観からでも、品物がとても高そうなイメージを受ける。まぁ実際桁も僕達高校生が悩みながら手を出す値段の一桁上をいっている。この洋服店に入るためにそれなりの洋服を買わないと入店しづらそうなレベルの高い店だ・・・。

「なんだ?まさかモノで釣る気か?」
「ふえぇ!?あれってこの辺りで一番有名な高級ブランド洋服店じゃないかな?」
「ぬううぅ・・・浮気魔めえぇ・・。金にモノをいわせるとわぁ・・・」
「よし理樹!中の様子を見に行こうぜ!」
「それは無理です。たしかあそこは入店に会員書が必要なのです」
「うおおぉっ!じゃあどうすんだよ!」

するとみんなの声に混じって恭介の声が聞こえてきた。

「いらっしゃいませ。何をお探しでしょうか?」

・・・恭介?何してるの?そう問いかけたが返事は無かった・・。
皆も恭介の急な奇行についていけないらしい。皆はじっとしていられなかったようで途中から持ち場を離れて尾行に参加している・・のだが・・見渡せば恭介の姿は無かった。そして、まだどこかに隠れているのか来ヶ谷さんも見当たらなかった。
・・・まさか・・そう思い皆携帯に聞き入っている・・・携帯からはここら一帯ではまず聞こえないような、雰囲気のあるジャズが流れている・・・・
  ・・・・まさか・・・・

「!きょーすけ!?なにをやっている!?」

まさかああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!!!!!

何してんだあんたはああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!!??

鈴の声が聞こえたということはつまり恭介は今店の中だ。
「棗恭介さん?この店でアルバイトをしているのですか?」
おいおい!相手にもばれちゃったよ!?えぇ!ちょ・・えぇ!?ほんとなにしてんのこの人!どうすんのさー!?

「お、おい馬鹿兄貴!?お前馬鹿兄貴だろ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




「・・・・・いえ・・・。私は店員の片岡と申します」


なに今の間!?そして何その苦しすぎる嘘は!?いくら鈴でも納得するわけないし第一隣(後ろ?)には一般思考の人がいるんだよ!騙せるわけ・・・


「・・・なんだ、兄貴かと思ったが違うのか・・」

「すみません・・片岡さん。私の友人の一人に似ていらしたもので・・・」

騙せた!?あっさり騙せた!!?

「お前うちの兄貴にそっくりだぞ」

「そういえば世の中には3人同じ顔の人間がいる・・と聞いたことがあります」

「なにぃ!じゃあ片岡はその3分の1なのか!?」

ちがうよ!完全に1分の1まごう事なき棗恭介そのひとだよ!っていうか男の人もすっごい完璧な人だと思ってたのに、明らかに論点が違うでしょ!?

「いやいや、優しくて頼りになって美形でかっこいいお兄さんと同じ顔だなんて・・・」

そこ!調子に乗らない!!

「まぁいい。片岡。服を所望だ」

「服・・・ですか。あぁあちらに女性店員がいらっしゃいますよね。服については彼女が一番良く知っておりますゆえ・・・少々お待ちください・・」

なんだったんだ片岡・・・いや恭介・・・

そしてしばらく待つと恭介から連絡が来た。

「よう理樹。どうだった俺の勇姿は?」
「どうだったじゃないよ!バレかけてたじゃないか・・・というかバレなかったのが奇跡だよ!」
「あぁ、正直俺もびびったぜ。完全に『あ、ばれたな』と思ったくらいだったからな、
 ・・・片岡の力は絶大だ!」
だから誰だよ片岡って・・・
「っと、おしゃべりはここまでだ、そろそろ女性店員がむかっているぞ」
それを機に恭介は黙り込んだ。僕も声を潜める。

「いらっしゃいませ。片岡から聞いております。服ですねかしこまりました」

「!くるがや!?何をやっている!」
今度は携帯から来ヶ谷さんの声が聞こえてきた。なんか予想はしていたけど・・・もぅ・・

「いえ、私は店員の川藤です」

もぅ・・誰だよ川藤・・・

「なにぃ!じゃあ川藤はくるがやの3分の1なのか!?」

いや・・鈴。それだと来ヶ谷さん分裂しちゃってるからさ・・・

「・・まぁいい川藤、服を所望だ」
「はいかしこまりました。少々お待ちください・・これなんてどうでしょう?」
てきぱきと行動し品定めを行う来ヶ谷さんこんなのでなくまともに働けばきっと良い
店員になるだろう。
「おぉ・・・って、なんだこのフリフリした露出度の高い服は?」
「お似合いですよ・・・・・まずい、これを着る鈴君・・・考えただけでも・・悶え死にそうだ・・・・」
携帯を介して時折グフッ・・とかうおぉ・・などといった声が聞こえてくる。前言撤回。
まともに働けばきっと目もくれられないような事態に陥るだろう。
「こんなの着れるかぼけー!!」
「い・・いえ・・ほんとに・・・お似合い・・・です・・よ・・・」
来ヶ谷さんの声も途切れ途切れだ。限界点というか臨界点が近いようだ・・・。
「もっとふつーの服にしろ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・かしこまりました・・・・・」
どうやら元に戻すのは不満のようだ。

・・・・しばらくして・・・・

「おぉ・・いいんじゃないか?」
「えぇそうですね・・・」
どうやら服は決まったようだ。

「おい川藤。次はスカートを所望だ」

「スカート・・・ですか。あぁあちらに女性店員がいらっしゃいますよね。スカートについては彼女が一番良く知っておりますゆえ・・・少々お待ちください・・」

しばらくすると恭介に続き来ヶ谷さんも連絡を取ってきた。
「やぁ、理樹くん。どうだった」
「いや・・・まぁ・・もう・・お・・おつかれさまでした・・・?」
「何故語尾に?をつける」
「それよりもなんでばれないのかなぁ?」
「ふっ・・甘いな理樹君・・・川藤の力に決まっているだろう・・・・」
片岡とか川藤ってホント誰だよ・・・

またしばらくして・・・

「・・・いらっしゃいませ。川藤から聞いております。スカートですねかしこまりました」

「!みお!?何をやっている!」

「・・・いえ私は店員の八木と申します」

「なにぃ!じゃあ八木はみおの3分の1なのか!?」

・・・なんだかもう突っ込む気力すら失せてきた・・・一体どうやって店員にまぎれてるのとか、何でばれないのとか・・・あぁ、もういいか・・・
それよりさっきからなんで名前が阪神で代打として活躍した選手なのさ?
「・・・こんなのはどうでしょう?」
「おぉ!いいじゃないか!やるな八木!」
「・・・いえそれほどでも」
鈴は西園さんのセンスに大層気に入ったようだ
何だかんだいって西園さんはしっかりやってくれているようだ・・・まぁ恭介たちと一緒に潜入している時点でプラスマイナスゼロだけど・・・でも・・
「・・・?よしこれにしよう・・・って八木?どこだ八木」


「・・・あの・・なんでしょう?」
「・・・彼女のご学友に直枝という人が居りましてね・・これをプレゼントして欲しいんですよ・・・えぇ、御代はこちらで持ちますので・・・」
「・・私がですか?・・えぇまぁ構いませんが・・・」
西園さあああああああぁぁぁん!!!!!!信じてたのに!!!!
「あっ・・くれぐれも渡す際には・・・『悪かったよ』と言ってください・・・」
「・・・?えぇ・・・」
「・・自分勝手なのは分かってます・・でも…それでも、だから、渡してって言えてよかった・・・貴方に渡してもらえれば、もう、じゅうぶんです・・・・・・・ごふっ・・!」
ドサッと鈍い音がする。携帯を介して高級感漂うジャズのミュージックと共に悲鳴が聞こえてきた。
「!?だ・・大丈夫ですか?」
「好きなことのために、理性を捨ててしまった私の罪滅ぼしになっているでしょうかそれとも、これは、じごうじとく…いんがおうほう、でしょうか・・・・もう、なにも考えれません・・・・」
「ちょ・・・店員さあああああぁぁぁん!!」
「申しわけございませんお客様。・・・こちらで処理しますので・・・」



「・・・・ふぅ・・危ないところだった・・・」
「危ないところだった・・・じゃないよ!何してんのさ!」
「西園さん!?西園さんは大丈夫なの?」
「・・・悪いなもう少し助けるのが早かったら・・・もう・・・手遅れだ・・・」

「・・・あはは、でねこの後彼はプレゼントを渡すの・・・
 『そうだ・・・これを・・・』
『なに!?こんなの貰っても騙されないからね!!?』
『ほんとにすみません・・・でも似合いますよ・・・』
『これ・・!?すごく高いんじゃ・・・』
『いえ別にそれほどのものじゃ・・・』
『そんなの・・・ずるいよ・・・きらいに・・なれない・・・』
そこで彼は抱きしめてこういうの
『悪かったよ・・・おれは嫌いになってもらったら・・・困るから・・・』
『・・・ばか・・・』
・・・ね。良いでしょ。美鳥もそう思うよね。あははははは」

「大丈夫・・・じゃなさそうだね・・・」
「なんか・・もう色々やばいな・・・」

「西園女史に・・・3分間の黙祷」

今回は僕もしっかり目を閉じ冥福を祈った


この後、西園さんは近くの総合病院に救急車で緊急搬送された・・・






「わふー・・・というかさっきから、私の言葉・・・すごく盗られてるのです・・・」




つづく