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「歌詞を作ろう」

「「「「「「「「「「「「は?」」」」」」」」」」」」

「歌詞を作るんだ、歌詞を」 








歌詞を作ろうリトルバスターズ!

〜第1話 直枝理樹の歌詞〜








『side 理樹』

「えっと・・・なぜに歌詞作り?」

僕は思わずそう尋ねていた。

発案者である恭介はこう答える。

「いざというときに役に立つだろ」

「いやいや、多分そんな時ないから」

「いや、案外あるかもしんないぞ?文化祭とか」

真人が横からそんな提案をする。

真人にしては珍しいことだ。

「それにしても、いきなり過ぎて笑うしかないわね」

二木さんが溜息交じりにそう言う。

僕も同じ気分だった。

「何?お菓子を作ればいいのか?」

「わ〜お菓子作り楽しそうだね〜」

鈴と小毬さんは、いいように勘違いしてしまっている。

「違う。歌の歌詞だ」

恭介がすかさず訂正。

なんというか、小毬さんらしい発想ではあるけど・・・。

「して恭介氏。その歌詞というのはどんな歌詞でもいいのか?」

「ああ。ちゃんと歌として成立しそうなものならな」

来ヶ谷さんの質問にも、恭介はきちんと答える。

それにしても歌詞作りか・・・。

難しそうだな。

歌詞なんて作ったことないし。

「大丈夫よ」

「え?」

声をかけてきてくれたのは、意外な意外、二木さんだった。

「直枝なら、多分出来ると思うわ」

「それはまたどうしてでしょう?」

「・・・さぁ?」

理由もなくそんなこと言ったのか!!

「ま、そういうわけだから。各自歌詞を作ってくること」

恭介がそう締めくくろうとしたその時。

「期限はいつまで?」

沙耶が挙手していた。

「お?そういえば期限を決めていなかったな。そうだな・・・来週まででどうだ?」

「来週か・・・で、誰かと一緒に考えるのもありか?」

「もちろんありだ。デュエットというのもいいぜ」

謙吾はその言葉を聞いて、どこか満足した。

「よし!それじゃあ理樹。一緒に・・・」

「理樹くん、一緒に歌詞を作りましょ〜!!」

真人の言葉を遮って、葉留佳さんが僕に尋ねてきた。

「まぁ、僕はいいけど・・・」

「やったー!理樹くんばんざ〜い!!」

「後ろにいる佳奈多さんは・・・どうなのかな?」

「・・・へ?」

僕は、葉留佳さんの後ろで何か形容しがたいオーラを醸し出す二木さんを指さしながら言う。

葉留佳さんは、僕の指さす方向を見て、ギョッとした。

まぁ、何しろ二木さんが怖いんだもの・・・。

「葉留佳?葉留佳は私と一緒に作るのよ?」

凄い笑顔で葉留佳を見る二木さん。

それはまるで、何かを企む時の葉留佳さんの笑みと同様だった。

さすが一卵生児。

「か、かなた?な、でそんなに怖いオーラを出してるの」

「あら?私はそんなオーラ出してないわよ?それに、直枝と一緒にやるなんて、許せないわよ?」

僕への嫉妬なのか、葉留佳さんへの嫉妬なのか。

もう訳が分からない。

「わふ〜佳奈多さんが怖いのです・・・」

クドが恐怖を覚えてしまうほど、今の二木さんは怖い。

あの恭介でさえ、

「ひゅ〜こいつはすげぇぜ・・・」

と言ってしまうほどだ。

「まさか、歌詞作りというだけで、こんなシーンを目撃するとは・・・おねーさんもうハァハァだよ」

「意味分かんない上に、アホだこいつ」

何故か興奮している来ヶ谷さんと、その来ヶ谷さんを見て突っ込む鈴の声が聞こえてきた。

「まぁ、何がともあれ、みんな、頑張って歌詞を作って来てくれ」

「ところで、恭介さんも歌詞を作るのですか?」

西園さんが静かに恭介に尋ねた。

「おう。当然だろ」

恭介は胸を張って答えた。

いや、何で胸を張るのかは分からないけど・・・。

「とにかく、健闘を祈る。それじゃあ・・・」

「「「「「「「「「「「「ミッションスタートだ!!」」」」」」」」」」」」

「・・・俺のセリフを取るなよ」

自分のセリフを取られて、若干へこみ気味の恭介だった・・・。







そして一週間後。

「んじゃみんな。作って来てくれたよな?」

「おう。もちろんだぜ」

僕たちは今、部室にいる。

もともとは野球部の部室なのだが、今ではここは僕らの定番スポット、というよりも溜まり場になっている。

「それじゃあ、一番手は・・・理樹だな」

「ええ!いきなり僕から!?」

恭介からのいきなりの指名に、僕は思わずたじろいでしまう。

そして、恭介と僕を除く残り11名から一言。

「いきなり理樹を解き放つか・・・」

「いい詩を期待してるぞ、理樹」

「大丈夫だ。理樹なら出来る」

「リキ〜!頑張ってください〜」

「直枝、期待してるわ」

「わたくしよりもいい詩が作れるかしら?」

「理樹くんファイト〜!」

「だいじょ〜ぶ!理樹君なら出来るよ」

「理樹くん、頑張って!」

「直枝さん。ファイトです」

「少年、頑張るんだな」

上から順に、真人、謙吾、鈴、クド、二木さん、笹瀬川さん、葉留佳さん、小毬さん、沙耶、西園さん、来ヶ谷さんだ。

しかし、頑張ってとの声も聞こえたけど、どこを頑張ればいいのだろう?

もうすでに歌詞は完成してしまってるわけだし・・・。

「それじゃあ理樹。発表してくれ」

「うん。僕の考えた歌は・・・こんな感じだよ」







『試練』  作詞:直枝理樹

1,僕らはいくつかの試練を受けた
  弱い心を強くするために
  そして心は強くなった
  だけどまだまだ足りなかった

  みんなの命を助けたい
  わがままなのはわかってる
  だけど僕らはみんなで一つ
  誰一人欠けてはならない
  「仲間」という輪の中からは

2,僕らは過酷な試練を受けた
  真実をすべて受け入れるために
  そして真実を受け入れた
  それでも僕らは願ったんだ

  みんなといられる未来を
  楽しく過ごせる時間を
  だって僕らはみんなで一つ
  誰一人欠けてはならない
  優しい時間の中からは

  さよならするためのものだったはず
  すべてを受け入れるためのものだったはず
  けれどその試練はいつの間にか
  みんなの願いに入れ替わっていた

  どんな試練も乗り越えられる
  みんなで力を合わせれば
  それは僕らがみんなで一つ
  誰一人欠けてはならない
  存在だからなのかもしれない








僕の書いた歌詞を見た途端、周りから声がなくなった。

何故?

そんな疑問が頭によぎったその時だった。

「最高じゃねぇか、理樹!!」

「うわっ!」

突然恭介が大声を出したから、僕はびっくりしてしまった。

「わふ〜!いきなりの凄い歌誕生なのです!ユーメイクベリィグッドソングなのです!!」

「うむ。申し分ない歌だな。これだけいい歌だと、作ってて張り合いがある」

みんなが称賛の言葉を僕に浴びせる。

なんというか、とても気分がいい。

「俺も正直ここまでいい歌が出来るとは思ってもみなかった。理樹、やっぱりお前はすげぇぜ」

「いや〜それほどでもないと思うよ」

ちょっとテレる。

褒められるのは、悪くないことなんだなと僕はこの時思った。

だけど、やっぱりこんな声も聞こえてくるわけで・・・。

「あら。あなたにしてはいい歌を作るんですのね?普段はドンくさいくせに」

笹瀬川さん。

それは無視の方向でお願いします。

「直枝」

「な、何?」

突然僕の名前を呼んだ二木さんに、一瞬僕はドキッとしてしまった。

「く、悔しいけど、いい歌ね」

「あ、ありがとう・・・」

「でも、この歌って、モデルはオレ達だよな?理樹」

・・・真人ってどうしてこういう時の洞察力って凄いんだろう?

「そうだよ」

「なるほど・・・だからこの歌のタイトルは、『試練』ってついてるのか。それに、理樹らしい歌詞の内容だ」

「前向きでいい歌だぜ」

改めて謙吾と真人と恭介は、僕の歌に対する感想を述べる。

3人とも、僕の歌を認めてくれたみたいで、よかった。

「んじゃ、理樹のいい詩をいつまでも見ていたいという衝動を抑えて、そろそろ次の人に行こうか」

恭介の言葉によって、この場は一旦切られる。

そして、恭介の口から、次の人の名前が告げられた。

「次は・・・神北。お前だ」

Next song coming soon...























あとがき

前代未聞の歌詞中心小説誕生の瞬間です。

こんにちは。

毎度おなじみ、型破りなことを実行しますransu521です。

今回の小説は、なんとメンバーそれぞれが歌詞を考えるという、何ともありえない設定となっています。

しかも、何故歌詞を考えることになったのかが描かれていない。

そこら辺読んでて気になる方も出るかもしれませんが、ご安心を。

話が続く上で、そのことに関しては恭介が告げる予定なので。

最終話で・・・。

ちなみに、コンビで歌詞を書く組もあるので、この話はメンバー全員でいう13話完結ではありません。

それに、次回からは2人分載せる時もありますので、これでおそらく10話はいかないことでしょう。

何がともあれ、次話も楽しみに待っていて下さるのなら、光栄です。

尚、この小説で登場した歌詞の一部は、後ほど『リトルバスターズの日常』の方にも使わせていただきます。

どのような形で登場するかは、お楽しみに。

では、また次回お会いしましょう。

Sea you again.

2008年9月15日(月)記        ransu521