その人は、前に別れを告げた人だった。

その人は、しかし今もこの学校に居続けていた。

その人は、幼いころに出会っていた人だった・・・。





『第7話 真夜中の天然ボケさん』





夕食。

彼らは今、夕食を食べていた。

恭介の口から言われた、『文化祭の日にリトルバスターズが行動を起こす』という言葉を、

頭の中で繰り返しながら、理樹は夕食のメニューであるかつ丼を食べる。

真人「なぁ恭介」

恭介「何だ?真人」

真人に呼ばれた恭介もまた、かつ丼を食べていた。

今日の定食のメニューである。

真人「具体的に何するんだよ。文化祭で何かやるって言ったって」

恭介「ああ。そのことに関してはもう考えがついている」

謙吾「それは本当か?恭介」

ここで謙吾が初めて口を挟んだ。

鈴「何だ?一体今度は何する気だ?馬鹿兄貴」

恭介「そうだな・・・喫茶店を開く。店名は・・・リトルバスターズだ!!」

理樹「それはさすがにおかしいでしょ!!」

理樹がいつものように突っ込んだ。

鈴「私もそれは変だと思う」

謙吾「はっはっはっ。いいではないか」

真人「謙吾・・・珍しいな。オレも同じ意見だぜ」

結果。

2対3で恭介・謙吾・真人の勝ち。

理樹「・・・って何の勝負だよこれ!」

鈴「理樹。なんだかよくわからんが、私たちは負けたのか・・・」

意味も分からずしょんぼりと俯いてしまう鈴。

その横には、カップゼリーを食べている猫。

何とも凄い光景と言えば凄い光景だった。



夜。

いつものように、幼馴染5人組は集まっていた。

恭介「よし鈴。今日はお前にミッションだ」

集まるや否や、恭介はそんなことを言ってきた。

鈴「何?私にか?」

恭介「いや、やっぱり理樹にしよう」

理樹「どうしてさ!!」

いきなりお役が回って来た為に、理樹は大層驚いた。

謙吾「恭介。もうどうでもいいんだろ」

恭介「・・・ははははは」

真人「図星みたいだな」

いつもは突っ込みに回ることのない謙吾や真人までが突っ込みに入るほど、今回の恭介は

おかしかった。

おかしいのはいつものことなので、特に気にすることはなかった。

むしろ、理樹にはそれが微笑ましい光景にも見えた。

ただ、少しの空虚感があった。

理樹「(何かが、足りない)」

理樹は、今までの生活を振り返ってみる。

鈴に恭介に真人に謙吾。

幼馴染との楽しい日々。

そのメンバーに、更に加わった5人。

小毬に美魚に唯湖に葉留佳にクド。

そして、リトルバスターズのメンバーではないが、知り合いの佐々美に佳奈多。

謙吾のおかげで命が救われたみゆき。

みゆきはあまりリトルバスターズに関わることはないが、たまに話したりもする。

佐々美に至っては、たまに混じって遊んでいる。

佳奈多は未だにリトルバスターズに頭を悩ませているが、リトルバスターズに対して

理解を示すようになっていた。

だが、理樹は思う。

理樹「(後一人、足りない?)」

『あの世界』の記憶は、理樹にはほとんど残っているはずがなかった。

しかし、確かに空虚な感じがする。

今日になって初めて感じた、この気持ち。

文化祭の話が伝わってから、彼女にもこの楽しみを与えてあげたいと感じるようになった。

理樹「・・・彼女?」

この時の理樹には、まだ分からなかった。

彼女との、再会を。

『あの世界』で出会った、彼女の存在を・・・。



結局、恭介の単なる思い付きで夜中の校舎を歩き周ることとなった理樹。

片耳には、改造携帯のイヤホン。

恭介「理樹。今回のミッションは・・・」

理樹「あー特に考えてないんだよね?」

恭介「・・・待ってろ。今考えてやる」

そう言うや否や、恭介は思考の世界に入り込んでしまった。

謙吾「本当に何も考えてなかったのか」

真人「しゃーねーな。恭介だからな」

真人と謙吾が、理樹にこっちに戻ってくるように言おうとする。

だが、その前に。

恭介「よし。今回のお前のミッションは、夜の校舎で知り合いと出くわせ」

恭介が口を開いていた。

理樹「ええ!そんなの無理でしょ!!」

いきなりの無理難題に、理樹は悲痛の叫びを挙げる。

恭介「大丈夫だ理樹。こういうことを想定して、ちゃんと連絡入れといたから」

理樹「さっきまでは何も考えてなかったって言ってたよね!」

恭介「ああ。さっきの嘘」

理樹「ええ!!」

あっさりと先ほどの言葉が嘘だったことを言われて、理樹はさぞかし驚いた。

謙吾「何だ。もう伝えてあったのか」

真人「ていうか、オレ達は?オレ達も今始めて聞いたぞ」

謙吾と真人が、思い思いの反応を示す。

と、ここで真人はあることに気づく。

真人「あっ!鈴がいねぇ!!」

恭介「ああ。鈴なら先に行ってもらったぞ」

恭介がさらりと答える。

理樹「もう何でもやり放題なんだね・・・」

恭介「ちなみに女子達にはこういっておいた。先に理樹を捕まえた人の勝ち。で、勝者には

   特典として理樹と一日デート券が与えられる」

理樹「って何勝手なことしてるのさ!」

理樹はもう混乱し放題だった。

更に混乱させるような言葉を、恭介は平然と言い放った。

恭介「ああ。笹瀬川と二木にも話をしといたから」

理樹「何であの2人まで!?」

真人「おい恭介。いくらなんでもやりすぎなんじゃねぇのか?」

恭介「これにやりすぎなんてねぇだろ」

(キラ〜ン)

歯を輝かせて、恭介が真人に言う。

理樹「で?とにかく僕は誰かに会えばいいの?」

恭介「う〜ん、それじゃあ面白くないから、お前が女子メンバーの内の誰かを見たときは、

   全力で逃げろ。そして追って来たら、なんとか振り払え」

理樹「そんな無茶な・・・」

理樹はその場でうな垂れる(ような格好をする)。

そんなことをしている内に、

小毬「あ、理樹君だ〜」

手を振ってパタパタと理樹に向かって走り出す小毬。

その声を聞いた時、恭介は言った。

恭介「走れ!理樹!!」

理樹「う、うん!」

戸惑いながらも、理樹はその場から走り始めた。

小毬「ふぇ?あ、待ってよ〜理樹君〜」

小毬も理樹に合わせて走り始めるが、

(ズルッ、ドテッ)

小毬「ひゃあ!!」

何もない所でズッコケてしまった。

その事には気づかず、理樹はそのまま走り去ってしまったのだった・・・。



理樹「・・・何で僕は逃げたりなんかしたんだろ」

いまさらになって、理樹は自分がやっている行動におかしさを感じる。

現在、自分の教室の前までやって来ていた。

理由は、特にない。

ただ単に、行くあてがなかった為である。

理樹「・・・ってここで僕が逃げたら、僕のミッションはコンプリートしたことにならない

   じゃないか」

そして気づく。

自分がやっていることが、自分の睡眠時間をことごとくなくしている行為なのだと。

理樹「まぁ、来ヶ谷さんに見つかった時は、全力で逃げ・・・られないから、観念しよう」

そんなことを言いながら、自分の教室を後にして、その場から立ち去ろうとする。

だがその時。

(ポン)

誰かに肩を叩かれる感触。

そして、一言。

?「やっと、会えた・・・」

理樹「・・・」

不謹慎ながら、理樹は思ってしまった。

理樹「(・・・終わった)」

と。

まだこの時、この瞬間の理樹は気づいていない。

後ろの人物の正体に。

理樹は、自分が捕まったのだと思い込んでいる。

しかし、理樹の後ろにいる少女は、心から再会を喜んでいる。

2人の複雑に絡み合う歯車は、未だに回転をすることが出来ない。

だが、きっかけはほんの少しの行動でよかった。

理樹は後ろにいる、自分を捕まえた人物を確かめただけだった。

この行動こそが、歯車の回転を取り戻した。

理樹「・・・!」

そして、後ろにいた人物が誰だったのかを知る。

後ろにいたのは・・・。

理樹との再会を、心から喜んだ少女は・・・。

?「ただいま・・・理樹君」

泣き顔のまま、理樹の胸に飛び込んできたのは、かつて『あの世界』で、闇の執行部との

戦いに身を捧げた、頼りになるパートナー。

幼い頃に、一緒に遊んだ少女。

そして、最後に自分に別れを告げて消えてしまった、金髪の少女は、名前を・・・。



恭介「そろそろってとこかな」

真人「何がだよ」

恭介「いや、なんでもない」

恭介は、理樹の部屋で、笑みを見せる。

真人と謙吾は、そんな恭介の様子を見て、疑問を浮かべる。

これは偶然なのだろうか?

理樹と彼女の再会は、本当にただの偶然なのだろうか?

これは、恭介が用意した脚本なのでは?

事情を知る者ならば、恐らくはそう思っただろう。



?「ここは・・・どこ?」

今にも消えそうな声。

そんな声を出して、少女は目を覚ます。

そこは、土の中。

冷たい土の中だった。

?「私は・・・何を・・・」

少女は呟く。

体が動かない。

服には、赤い何かが染みていた。

瞼は重く、薄らと開けるので精一杯だ。

?「このまま・・・眠ってしまおうかな・・・でも、さっき寝たばっかりだし。それに、

  夢も、見た」

その夢は、とても温かく、優しい夢だった。

おぼろげながら、少女は夢の内容を思い出す。

自分の隣には、男の子がいて。

その男の子の仲間達がいて。

その子達と、遊んで。

いっぱい学んで、いっぱい遊んで、いっぱい楽しいことをした。

そんな、当り前の夢を、見せてもらった。

?「(だからもう・・・充分だ)」

少女はそのまま意識を失いそうになる。

だが、その時だった。

?「それでいいのか?『さや』」

さや「・・・え?」

突如、『さや』と呼ばれた少女の頭の中に、何者かの声が響いた。

しかし、少女は疑問に思う。

さや「私は、あやだよ?」

?「いや、『あの世界』でのお前は、確かに『さや』だった。忘れたのか?」

さや「あ・・・」

その瞬間。

さやの頭の中に、『あの世界』の出来事が全部入って来た。

それは、夢であって、夢ではなかった出来事。

すべては、奇跡が生んだひと時。

?「思い出したか」

さや「うん・・・全部思い出した」

さやがあの世界で体感した出来事。

さやが共に遊んだ仲間達のこと。

そして何よりも、さやの心の支えとなってくれた男の子の存在。

すべての記憶が蘇る。

だが、だからこそさやは言う。

さや「(でも、もう無理。声もほとんど出ない)」

それは言葉にもならなかった。

心の中で、思ったセリフ。

だが、頭の中の人物には、きちんとそのセリフは伝わっていたらしい。

?「いや、そんなことはない。お前はまだ、やれることがある」

さや「(え・・・?)」

?「お前には、助けを呼ぶだけの力がまだ残っている」

さや「(そんなこと・・・ない)」

?「さや、生きたくないのか?」

さや「!!」

その一言は、今のさやの心には、グサリと突き刺さった。

『生きる』。

そのことを、あの夢の中で体験したのだ。

『死』という極限状態の中で見たその夢は、もしかしたらという自らの願望だったのかも

しれない。

そして、頭の中の人物は言った。

?「さや・・・お前の帰りを待ってる人が、いや、待ってる奴らがいる」

さや「(私を、待ってる人達?)」

?「ああ。もちろんオレもだが、お前の心の中にいる人も、だ」

そう言われた時に、さやの頭の中を通り抜けたのは、ある一人の少年だった。

かつて自分の隣にいてくれた少年。

もうすでに、名前まで思い出していた。

その少年の名前は、『    』。

?「さぁ、生きたいなら、叫べ。大声で。できる限り大きな声で!!」

さや「私は・・・生きたい」

小さな声で、さやは言う。

?「何だって?そんな小さな声じゃ聞こえないぞ!」

さや「私は、生きたい!!」

体の中に残る体力を最大限に利用して、さやは叫んだ。

?「もっとだ!もっと叫べ!!そして、オレに奇跡を見せてみろ!!!!」

さや「助けて!誰か助けて!!」

?「もっともっともっと!!」

さや「私は生きたい!もっと生きて、もっとみんなと遊びたい!!だから・・・だから・・・

   私を助けて!!!!」

その時だった。

救助隊員「おい!こっちに人がいるぞ!!」

さやは、自分の力で、『奇跡』を導き出したのだった。

?「・・・やるじゃねぇか、さや。待ってるからな、あの学園で」

その言葉を最後に、頭の中に響いていた声は、いつの間にか聞こえなくなっていた。



沙耶「ただいま・・・理樹君」

理樹の胸の中に飛び込んで来た、金髪の少女の名は、朱鷺戸沙耶。

かつて、理樹が『あの世界』にいた時に出会った、現実世界ではいるはずのない人物。

しかし、そんな彼女は、確かに目の前にいた。

理樹の目の前で、理樹の胸の中で、涙を浮かべていた。

理樹「沙耶・・・沙耶なの?」

沙耶「うん。私は、沙耶だよ」

泣いてるせいで、声は震えていた。

沙耶は、大粒の涙を床に零し、泣く。

理樹「沙耶・・・おかえり」

だから理樹は、沙耶の耳元で、優しくそんな言葉をかけるのだった。



真人「なぁ恭介。さっきは誰と話してたんだ?」

恭介「ん?オレ、誰かと話していたか?」

謙吾「ああ。確かに誰かと話していたぞ。ここにはいない、誰かと」

恭介「う〜ん、覚えてないな。いつの間にか独り言話してたかな」

真人「ところでよ、結局誰が一番最初に理樹を見つけたんだ?」

恭介「理樹との通信を聞いた限りだと、一番最初に見つけたのは朱鷺戸のようだな」

謙吾「朱鷺戸・・・昔オレ達とサッカーをやったやつか?」

恭介「そうだな。まさか、あいつが一番最初に理樹を見つけるとはな・・・」

真人「お前は誰がよかったんだよ?」

恭介「オレ的には、鈴に見つけて欲しかった」

謙吾「裏心丸見えだぞ、恭介」

恭介「ま、これはこれでよしってところで。これはこれでニヤニヤな展開になりそうだし」

理樹「恭介、謙吾、真人・・・・・・・・・・・・全部聞こえてるから」

恭介・真人・謙吾「なにー!!」

自分で渡した無線機から、今の会話が駄々漏れになっていることにまったく気づいてなかった

三人の会話だった・・・。



理樹「それにしても、どうして沙耶も?」

沙耶「理樹君。私はもともとスパイだったのよ?夜に活動が出来ないわけないじゃない」

理樹「いや、そういうことを聞きたいわけじゃなくて・・・」

数分経っていつもの調子に戻った沙耶と、今では無駄話をしていた。

先ほどまでのことは、忘れてしまったかのような感じだった。

理樹「でも、最初に僕を見つけたのが沙耶だったってことは・・・」

沙耶「そうね。恭介さんからの連絡だと、私が一日理樹君所有権を獲得したってわけね」

理樹「いやいや。一日デート券でしょ。さらりと怖いこと言わないでよ」

笑顔で怖いことを言った沙耶に、理樹は本当の意味の恐怖を味わう。

沙耶「何言ってるの?私と理樹君の間で、隠し事なんてないでしょ?」

理樹「いや、僕たちそんな間柄でもないから・・・」

どんどん突っ込みを入れていく理樹。

突っ込み役というものはなかなか大変なものだと実感させられるのだった。

沙耶「でも、本当に今まで理樹君は誰にも会ってないの?」

その質問は、夜の校舎に入って、現在まで誰にも会っていないのか?

という質問だった。

ここで理樹はふと思い出す。

理樹「そういえば、小毬さんに最初会ったっけ。あの時は恭介が逃げろって言うから

   全力で逃げたけど」

沙耶「じゃあ、何で私からは逃げなかったの?」

理樹「肩を叩かれた時点でゲームオーバーだからね」

先ほどの恭介の言葉を思い出し、そう言う。

沙耶は途端に笑顔になる。

沙耶「よっしゃ捕まえたー!!」

理樹「ハイテンションになりすぎだから!!」

真夜中の校舎の中。

男女2人分の叫び声が、響き渡ったという。

そして、その騒ぎに、風紀委員の人たちがやって来たのは言うまでもあるまい・・・。



次の日。

理樹「おはよう」

恭介「おはよう」

真人「うぃ〜す」

謙吾「おはよう」

鈴「おはよう」

幼馴染5人で、食堂の席につく。

手には、朝食が乗っかっているお盆がある。

恭介「じゃ、今日はお前らに言っておくべきことがある。リトルバスターズのことでだ」

恭介が珍しくまともな顔で4人を見る。

真人「なんだよ、唐突に」

理樹「ていうか、リトルバスターズに関することだったら、みんなも呼んだ方がよくない?」

真人と理樹が反応を示す。

鈴も、やや首を斜めに傾げる。

謙吾はなぜかハイテンションだ。

そのハイテンションさに、周りの生徒が少し距離を置いているのを、謙吾は知らない。

恭介「それもそうだな。よし、理樹。今すぐみんなを呼んでくれ」

理樹「うん。出来る限りやってみる」

というわけで、理樹は残りのメンバー全員にメールをした。

そして、すぐに来た。

理樹「って早すぎるでしょ!!」

あまりの行動の早さに、理樹の突っ込みのスピードも速くなった。

クド「わふー!すでに食堂に来てたのですー!」

小毬「みんなおはよ〜」

美魚「おはようございます」

唯湖「おはよう」

葉留佳「おはよう〜」

思い思いの挨拶を交わして、席につく。

ちなみに、リトルバスターズのメンバーが座る所は、大抵空いている。

それが、ある意味鉄則だからだ。

恭介「諸君。聞いてほしいことがある」

クド「もしかして、昨日の話ですか?」

昨日の話。

つまりは、夜の校舎で理樹と最初に会えた人には、一日デート券がもらえるという、

あのミッションのことだろう。

女子メンバーは、そのことを気にしていたのだろう。

しかし、誰一人として、私が一番最初に会ったよという顔をしていない。

小毬に至っては、昨日のことを思い出してがっくりと項垂れている。

恭介「それもあるが、新メンバーを紹介しよう」

真人「新メンバー?誰だそれ」

理樹「・・・恭介。まさかとは思うけど・・・」

理樹は、何か思い当たる節があるらしい。

恭介「ああ。言っておくが、笹瀬川と二木は違うぞ」

鈴「何!さささささささみが入るのか!?」

鈴は話をまったく聞いていない。

というよりもまず、佐々美の名前をきちんと言えていない。

その時。

佐々美「さ・さ・せ・が・わ・さ・さ・みですわ!!」

真人「・・・おい、なんか来たぞ」

佐々美がやってきた。

佳奈多「まったく。何をやってるのかしらあなた達は?」

佳奈多も入って来た。

恭介「というよりも鈴。笹瀬川はもう入ってると言ってもいんじゃないのか?二木は別だが」

佳奈多「私がどうかしましたか?棗先輩」

佳奈多が絡んでくるも、恭介はまったくもってこれを無視して話を進めようとしたが、恭介は

佳奈多に尋ねてみた。

恭介「二木、そろそろお前もリトルバスターズに入ったらどうだ?」

佳奈多「棗先輩・・・あなたは私を馬鹿にしてるんですか?」

理樹「佳奈多さん、落ち着いて。このままじゃ話が進まないから」

このままでは恭介の話が進まず、みんな遅刻してしまう。

そう判断した理樹は、その場の収集に全力を懸ける。

無論、あまり意味はなかった。

恭介「で、話だが・・・今日から新メンバーが入った」

理樹「それ、さっきも言ったから・・・」

理樹が呆れた感じで突っ込む。

恭介「今からそいつを紹介する。カモン!」

そう言われて出てきたのは、昨日理樹が夜中に出会った人物。

沙耶「朱鷺戸沙耶よ。よろしくね!」

沙耶だった。

沙耶の介入によって、ますますリトルバスターズは騒がしくなるんだろうなと理樹は思った。