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毎回毎回彼女がいなくなる数学の時間。

今回は、彼女だけでなく、理樹もいなくなっていた。

理樹達は一体何をしていたのだろうか?





『第6話 50分間の休息』





翌日。

理樹は、夜明けと共に起きた。

理樹「・・・眠れなかった」

訂正。眠ってなどいなかった。

理樹「昨日は本当にひどかった・・・」

あの後。

佐々美と共に生物実験室に閉じ込められた後。

理樹は恭介達に説教をした。

その理樹の横にいた佐々美の顔が、どこか妙に赤くなっていたのには、

理樹は気づいていなかった。

真人「お?もう朝か?」

理樹「真人?珍しいね。早く起きるなんて」

真人「オレにだってこういう日はあるさ。さっ、食堂に行こうぜ理樹!」

理樹「う、うん」

こうして理樹と真人の二人は、いつものように学食へと向かった。



学食へ行くと、唯湖と謙吾の二人がバトッていた。

理樹「こんな朝からバトルランキング・・・」

謙吾「来ヶ谷!今日はお主を倒すぞ」

唯湖「おや?私を倒せるのかな?」

『最強の男児にして真人のライバル』宮沢謙吾VS『ちょっぴりお茶目な姉御肌』来ヶ谷唯湖

周りから様々な物が投げ込まれる!

謙吾「よし!これだ!!」

謙吾は、割り箸を手に入れた。

謙吾「・・・これでどう戦えと?」

唯湖「うむ。上出来だ」

唯湖は模造刀を手に入れた。

理樹「・・・本物の刀じゃないよね?」

真人「何言ってるんだよ?来ヶ谷のいつもの武器じゃねぇか」

恭介「バトルスタートだ!!」

謙吾の攻撃。

謙吾「てりゃ!」

謙吾は箸で唯湖を掴もうとした。

しかし、唯湖はこれを模造刀で華麗に受け止めた。

唯湖の攻撃。

唯湖「おとなしく眠るといい」

唯湖は俊足で謙吾を斬った。

謙吾「ぐはっ!」

謙吾に9999のダメージ!

謙吾は倒れた。

謙吾「む、無念・・・」

(バタッ)

唯湖「私の勝利だな」

謙吾は、『男の子がとっても大好きな変態侍』の称号を手に入れた。

謙吾「うおおおおおおお!こんな称号などいらん!!大体オレは男好きではない!!!!!」

理樹「謙吾・・・頑張れ」

ただ応援するしかない理樹だった。



朝のホームルームが終わり、10分休憩の時間となった。

次の時間は数学。

理樹「いつも来ヶ谷さんがいなくなる授業だね」

唯湖「私がどうかしたかな?」

理樹「うわっ!いきなり後ろから登場しないでよ!びっくりするじゃないか」

突如として現れた唯湖に、理樹は心からびっくりしてしまった。

唯湖「慌てるな、少年。ところで、次の数学の授業、一緒にサボらないか?」

理樹「いや、そういうわけにはいかないし、授業はちゃんと出ないと」

唯湖「では、強行作戦だ」

唯湖は、理樹の首根っこを掴むと、そのまま走りだす。

理樹「え?あ、ちょ、ちょっと!!」

唯湖「すまないな。強引だが、こうする他ないから」

理樹「ていうか、首が、苦しいって・・・」

唯湖はそのまま理樹を連れて教室からいなくなった。

クド「わふー!リキが来ヶ谷さんに連れてかれたのですー!」

鈴「恐ろしい速度でいなくなったな」

美魚「まったくですね」

クラスメートの中から、溜め息のようなものも聞こえたような気がした。



さて。

超高速で廊下を走り去る唯湖と理樹の姿は、何人もの生徒たちによって

目撃されていた。

佳奈多「ちょっと来ヶ谷さん!廊下を走ってはいけません・・・って理樹君まで!?」

佐々美「あら?もう授業始まってしまいますのに、どこへ行こうとしているんですの?」

?「理樹君?」

さまざまな言葉が飛び交うが、言っていることはみんな一緒。

しかし、なぜこの3人は、こんなにも過剰(?)に反応を示すのだろうか?

その前に、最後のは誰だ・・・?



理樹「で?何でここに?」

唯湖「何。ちょっとした休憩をとりたかっただけだよ少年」

理樹「いやいや、休憩するなら1人でしてよ。僕には授業が・・・」

唯湖「理樹君、君はこの私から逃げられると思ってるのか?」

理樹「・・・いえ、まったく」

困った顔をしながら答える理樹。

今2人は放送室にいた。

何故ここなのかというと、唯湖が結構訪れる場所だかららしい。

それもそのはず。

唯湖は、昼休みになるとこの教室にやってきて、昼の放送とやらをやっているらしい。

もちろん無許可で。

理樹「でも、ここに50分間ずっといるのも正直どうかと思うんだけど」

唯湖「うむ。そう言うだろうと思って、こんなものを用意した」

そう言って取り出したのは、トランプだった。

理樹「・・・トランプ?」

唯湖「トランプだが、何か?」

理樹「いや、別に・・・」

この時理樹はこう思っただろう。

それで何するの?と。

唯湖「これで、理樹君と賭けをしてみたいと思う」

理樹「賭け?勝負じゃなくて?」

唯湖「まぁ、そうとも言うな」

理樹「はぁ・・・」

唯湖の話を分かりやすく説明すると、こうだ。

このトランプを使って、スピードをやる。

そして、5回くらいその勝負をやって、負けた方が勝った人の言うことを何でもひとつだけ

実行しなくてはならない。

50分の間に何回出来るか分からないが、とりあえずそうやって過ごそうということだった。

理樹「スピードって・・・あのスピード?」

唯湖「他に何がある?」

理樹「ないけど・・・」

とりあえず理樹と唯湖は、スピードの勝負をすることとなった。

しかし、あとで理樹は後悔する。

こんな勝負、受けるべきではなかったと・・・。



理樹「うそ・・・全敗だなんて・・・」

唯湖「ははは・・・どうだ少年。私に勝てるわけないのだよ」

理樹は現在、メイド服を着た状態で絶望ポーズをとっていた。

唯湖「はぁはぁはぁ・・・理樹君のその格好に、お姉さんもうはぁはぁだよ」

理樹「いやいや、そんな怖い目をしてこっちに迫ってこな・・・ってうわっ!!」

(ガシッ)

理樹はあっという間に唯湖に抱きつかれてしまった。

そして、谷間にダイブ。

理樹「く、苦しい、です・・・」

唯湖「はっはっは。そうかそんなにうれしいか理樹君。女の人の胸に埋もて、

   オレは本当に幸せな男だぜ、ぐっへっへっへっへーってなってるか」

理樹「なってないから!!早く出して〜」

唯湖「む。しょうがないな。理樹君が私の胸の中で死んでしまうのは惜しい」

ようやっと解放された理樹は一言。

理樹「・・・助かった」

そう呟いた。

唯湖「よし、もうひと勝負しようじゃないか」

理樹「もうしないよ!!」

理樹はそう叫んだのであった。

そして、2人の間に沈黙が流れる。

最初に破ったのは唯湖だ。

唯湖「ふむ。暇になったな」

理樹「そうだね。でも、あの勝負だけはもうしないからね」

唯湖「そうか。それは残念だ」

残念そうではなく、むしろ先ほどの光景を見れて満足だと言ったような表情を見せていた。

理樹「それじゃあ、僕はこれで」

唯湖「まだ授業が始まったばかりだぞ。そんな状態で行ったら、先生に何言われるか

   分からないぞ」

理樹「その前に、先生の中での僕の評価が下がってるよ・・・」

そう言って再び絶望ポーズ。

それを見て、先ほどの光景を思い出してしまった唯湖は、

唯湖「・・・はぅ〜お持ち帰り〜!!」

理樹「いやいや、それ作品が違うから・・・ぐふっ」

またもや理樹のことを抱いてしまう。

理樹は再びやってきた2つの大きな山に埋もれてしまい、出られなくなる。

唯湖「はぁはぁはぁ・・・もう辛抱たまらん!!」

理樹「へ?う、うわぁああああああ!!」

その後、しっぽりむふふとなった理樹と唯湖であった。



そして数分後。

数学の時間が残り10分と迫っていた。

唯湖「おや?もうこんな時間なのか」

理樹「そりゃあれだけの時間やってればね・・・」

理樹は、先ほどまでの惨状を思い出し、内心でがっくりとする。

唯湖は、さぞかしご満悦だったのだろう。

爽やかな笑みを理樹に向けていた。

理樹「それにしても」

理樹はここで一息置いて、それからこう言った。

理樹「こういうのも、たまにはいいかもね」

唯湖「だろ?たまにはこういうのもいいものだよ」

唯湖は、笑顔と共にそう言った。

理樹「まぁそうだけど、授業をさぼってまでこうしようとは思わないけど」

唯湖「はっはっはっ。理樹君も素直じゃないな。女子と2人きりでお茶会なんて、

   男子ならひゃっほ〜う!な展開だろ」

理樹「少なくとも、あれはお茶会とは言わないと思う」

内心でトラウマになったと思われる理樹。

頭の中では、先ほどまでの光景が再現されていた。

唯湖「授業もじきに終わるな」

理樹「そうだね・・・あっ来ヶ谷さん」

唯湖「何だね、少年」

理樹「・・・ありがとね」

笑顔でそう言ったその時。

(キーンコーンカーンコーン)

授業終了のチャイムが鳴った。



真人「理樹!どこいってたんだよ!!」

理樹「あ、いや・・・ちょっとね」

謙吾「ちょっとじゃないだろ。数学の授業をさぼったりして」

鈴「何があった!そういえば、くるがやもいなかったが・・・まさか!!」

教室に戻ってきた理樹を待ち受けていたのは、幼馴染3人からの追及だった。

数学の時間にぽっかり空いた理樹の席に、クラスメートの誰もが疑問に思ったのである。

真人や鈴や謙吾も同様だった。

もちろん追及するのはこの3人だけでは済まない。

小毬「理樹君どうしたの?どこかお体の調子でも悪かった?」

理樹「いや、そういうわけじゃないんだけど・・・」

どうやら小毬は、理樹が調子を悪くして、保健室に行ったものだと思っているらしい。

しかし、そうではなかったので、

理樹「いや、そういうわけじゃないよ」

と素直に答えた。

クド「じゃあ・・・なんですか?」

何かを言おうとしたが、何も思い浮かばず、結局こんな感じになった。

というような顔を向けながら理樹に話かけるクド。

理樹「いや、それは・・・」

理樹が理由を言おうとしたその時。

(ガラッ)

教室のドアが開かれて、恭介が入って来た。

理樹「恭介?」

真っ先に理樹が反応を示す。

恭介「ああ。お前らに話しておきたいことがあるから、放課後部室に集合な」

それだけを告げると、そのまま去って行った。

真人「・・・珍しく普通の入りかただったな」

理樹「・・・だね」

呆然と恭介の様子を眺める理樹達だった。



理樹「恭介、来たよ」

理樹達は、言われた通りに部室にやって来る。

それを、待ってましたと言わんばかりの表情で迎える恭介。

恭介「今日はお前らに話しておくことがある」

鈴「それ、朝も聞いたぞ」

鈴がすかさず突っ込んだ。

葉留佳「恭介さん、何の話デスか?」

恭介「ああ、実はな・・・」

葉留佳が急かしたことにより、恭介も本題に入る。

する必要もないのに、手を理樹達の方に向けて言う。

恭介「もうすぐ文化祭だよな」

謙吾「ああ。そういえばそうだったな」

クド「わふー!今から楽しみなのです!!」

そう。

もう後2,3週間もたてば文化祭だった。

クラスでは、そういう話題もちらほらと見え始めている所だ。

理樹「でも、それがどうかしたの?」

唯湖「ふむ。なるほどな」

理樹は、唯湖が何やら意味あり気に頷いているのを見て、ちょっと不思議に思った。

他のみんなも、何のことやら分からないといったような顔をしていた。

恭介「いいか、一度しか言わないからよく聞け」

恭介は、何故か一度後ろを向き、思い切り体を捻って前へ向いて、一言こう言った。

恭介「文化祭の日に、オレ達リトルバスターズで行動を起こすぞ!」

その言葉に、理樹達は驚いた。

唯湖と恭介は、うんうんと頷きあっていた。