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理樹が佳奈多に捕まり、昼休みに佳奈多のところへ来いと言われた次の日。

リトルバスターズの騒がしくて楽しい日常がまた始まるのだった。






『第2話 モンペチ買いに商店街へ』










理樹「う、う〜ん」

いつもより早めに理樹は目覚めた。只今の時刻、午前6時30分。

理樹「随分と昨日は疲れたな・・・。昨日はいろいろありすぎたし」

とりあえず理樹は、制服に着替えることにした。

理樹「・・・ぃよいしょっと」

着替えを済ませ、洗面台へ行く。

理樹「・・・まだ眠い」

眠気覚ましのために顔を洗うが、眠気はまだとれない。

理樹「しかたない。真人はまだ寝てるし、自動販売機でコーヒーを買ってこよう」

(ガチャッ)

理樹は、寝てる真人を起こさないように、そっと自分の部屋を出た。







理樹「はぁ〜」

コップに入れられたブラックのコーヒーを飲み、理樹は溜息をついた。

理樹「・・・少しはまともになったかな」

どうやら多少眠気がとれたようだった。

その時だった。

恭介「おお、理樹か」

理樹「恭介?おはよう」

恭介「おはよう」

あくびをしながら、恭介も自動販売機のところに来た。

恭介「隣、いいか?」

理樹「うん」

恭介のコップの中にも、ブラックコーヒーが注がれていた。

どうやら恭介もまだ眠気がとれないらしい。

恭介「理樹、今日は晴天だ」

理樹「・・・うん、そうだね」

いきなり意味不明なことを言われた理樹は、返す言葉がこれしかなかった。

しかし、そんな理樹を無視して、恭介は話を進める。

恭介「絶好のデート日和だな」

理樹「デート?誰かがデートでもするの?恭介」

恭介「誰がって・・・、お前と鈴だよ」

理樹「え?僕??・・・あ、思い出した」

昨日の疲れが溜まっていたためか、昨日のことを思い出すのに多少の時間がかかった。

昨日、理樹たちは大富豪をして、理樹は見事に大貧民になってしまったのだった。

その時の大富豪が鈴で、最下位の人は、優勝者の命令を絶対に行うこととして、鈴と一緒に新作のモンペチを買いに行くことを約束したのだった。

果たしてこれが罰ゲームと言うのかという疑問はさておき。

恭介「そこで理樹。鈴の兄としてお前に言うことがある」

理樹「何?」

恭介「楽しんで来いよ」

理樹「・・・うん!」

最高の笑みと共に、恭介はそう言った。







しばらくして、朝食の時間となる。

(カタッ)

トレイには、今日の朝食がのっかっていた。

今日の朝食は、パンに苺ジャム、味噌汁にソーセージ等。

朝のランチメニューとしては、もっともありそうなメニューだ。

理樹「あっ鈴。おはよう」

いつもリトルバスターズのメンバーで食事をする場所には、すでに鈴の姿があった。

真人「よう、鈴」

理樹の右横には真人、

謙吾「おはよう」

左横には謙吾の姿も見られていた。

鈴「おはよう、理樹、謙吾、真人」

理樹「・・・あれ?恭介は?」

ここで、まだ恭介が来ていないことに理樹は気づく。

その質問に対しては、

鈴「きょーすけなら」

鈴が答える。

鈴「今来たぞ」

恭介「遅れてすまないな。ちょっと話をしてて」

理樹「誰と話をしてたの?」

恭介「それは言えないな。何せ、恋愛相談だったからな」

鈴「何!誰かがきょーすけに告白でもしたのか?」

鈴が恭介の言っていたことを聞いて、恭介が誰かに告白をされたのだと思い込んだ。

真人「何?そうなのか恭介?」

謙吾「恭介にもとうとう青春がやってきたか」

恭介「いや、残念ながらオレへのものではなかった」

理樹「じゃあ誰の?」

理樹はまた恭介に尋ねるが、

恭介「それは言えねぇな」

その質問に対しては答えてくれなかった。

恭介「ただ、お前らのクラスの人であることだけは言っておこう」

鈴「え?私たちのクラス?」

理樹たちは、恭介に相談した相手とは一体誰なのか?

そして、その気になる相談とは何なのかを考える様子もまるでなく、食事をし始めた。

ただ、鈴だけは、神妙な面持ちをしていたようにも見えた。

鈴「そいつ、ひょっとして・・・理樹のことを・・・」

そんな時だった。

葉留佳「やぁ〜諸君!集まるのも早いね・・・って、まだ鈴ちゃん達しかいないんだ」

理樹「おはよう、葉留佳さん」

颯爽と登場したのは、この学校である意味一番の問題児、三枝葉留佳だ。

葉留佳は、どこへ行ってもいたずらをする。

ようは、ただのいたずら好きなのである。

恭介「おう。まだ来ヶ谷とかは来てないぜ」

葉留佳「ちぇ。せっかく姉御と・・・」

唯湖「私がどうかしたか?葉留佳君」

葉留佳「うわぁ!あ、姉御!!いきなり背後から登場しないでくださいヨ〜」

たった今、葉留佳の背後から登場したのが、来ヶ谷唯湖。

理樹達と同じ学年なのに、同級生から先輩と勘違いされそうな体型&性格の持ち主だ。

いつも自分のことを『お姉さん』と言い、かわいいものには目がないのである。

クド「みなさ〜ん、ぐっどもーにんぐなのです〜」

で、こちらが唯湖の標的その1である能美クドリャフカである。

通称、クド。

彼女は、外国から来日してきた外人なのに、英語がまるで駄目で、国語がかなり得意という、ちょっと変わった女の子である。

ちなみに、背丈は小さいほうで、胸もあまりない。

だが、そんな所が唯湖の的に的中しているのだろう。

度々クドは、唯湖の大きい胸に埋もれてしまうのである。

つまりは、クドに唯湖が抱きつくのである。

一部では年下だという噂もあるのだが、本当の所は知らない。

真人「おお。クド公も来たのか」

恭介「後は、小毬と西園だけか」

クド「・・・あの、きょーすけ」

クドが、おどおどした様子で恭介に尋ねてきた。

恭介「何だ?能美」

クド「さ、さっきのことは、みんなには言っていないでしょうか?」

恭介「ああ。大丈夫だ」

理樹「さっきのことって?」

そこにタイミングよく理樹が入ってきた。

恭介「いや、なんでもないんだ」

クド「そ、そうなのです!!のーぷろぐれむなのです!!」

理樹「問題ないって・・・」

ここで適切なのかよく分からない言葉をクドは言う。

鈴「さっきのこと・・・?まさか・・・」

鈴は、何かを感づいていた。

恐らくは、さっきの恭介のあの発言を思い出したためだ。

真人「なぁ。何だかオレたちが忘れ去られてるような気がするのだが・・・」

謙吾「お前はまだましなほうじゃないか。オレなんか、だいぶ忘れられてるぞ」

真人と謙吾が、なにやら自分達が忘れられてるような気分になっていた時に、

小毬「みんなおはよう〜」

美魚「おはようございます」

残りの二名、神北小毬と西園美魚がやってきた。

小毬は、唯湖の標的その2だ。ちなみに、その3は鈴である。

お菓子が大好きで、昼休みになると、立ち入り禁止のはずの屋上に来て、お菓子を食べている。

天然で、よく何もないところで転んだりする。

対して美魚は、リトルバスターズのマネージャーで、いつも日陰で本を読むのが趣味。

日傘がトレードマークとなっている。

おとなしいイメージがあるが、彼女の言葉には、心に突き刺さるようなものもある。

そして何よりも、ちょっと変わった趣味の持ち主。

それは、ここではいえないので置いておこう。

理樹「これで全員だね」

恭介「よし。それでは食事にするか」

こうしてリトルバスターズの朝は始まり、日常が始まるのだった。









1時間目が終了して、休み時間が訪れる。

理樹「次は・・・音楽っと」

理樹たちは音楽室へと急ぐ。残り時間は後5分だ。

クド「どうしたんですか?鈴さん」

小毬「どうしたの〜?鈴ちゃん。そんなに唸って・・・」

鈴「う〜」

クドと小毬が、鈴の様子の変化に気づく。朝食時から鈴は、こんな調子だった。

理樹「どうしたの?鈴。さっきから様子が変だよ」

真人「何だ鈴?筋肉ならここにあるぜ」

鈴「ややこしいんじゃぼけー!!」

(ゲシッ!)

真人、本日一回目の鈴によるハイキックを受ける。

謙吾「どうやら、恭介が言っていたことがまだ気になるようだな」

唯湖「ほほお。朝に恭介氏から何か言われたのかい?鈴君」

理樹「いや、鈴自身には何も言ってなかったと思うけど・・・」

核心にはいたらない理樹。唯湖や葉留佳も、その場にいなかったので、何のことだか分からない。

真人は何故か腹筋を始めていて、話せる雰囲気ではない。

鈴は図星だったらしく、膠着してしまっている。

クドにも、何か思い当たる節があるらしく、なにやらそわそわしている。

美魚「・・・あの、もう行かないと間に合わないですよ」

理樹「え?・・・あ!もうあと2、3分だ!!」

クド「わふー!はりーあっぷなのです!」

(ダダダダダ)

皆は急いで教室を去っていった。

そして、

真人「ふん・・・ふん・・・ふん!」

真人は誰もいなくなった教室で、不気味な声を上げながら、腹筋をしていたという・・・。








昼休み。

理樹「そうだ。二木さんのところにいかなくちゃ」

そう。

前日、夜中に出歩いているところを、佳奈多に目撃されてしまい、昼休みに佳奈多の所へ来るように言われていたのだった。

だが、そう簡単に行かせてくれないのが・・・

葉留佳「理樹く〜ん!いる〜?」

三枝クオリティ。

理樹「葉留佳さん?どうしたの?」

理樹は葉留佳に尋ねる。

葉留佳「いやぁ〜、お昼を一緒に食べようかな〜と思って〜」

真人「ちょっと待った三枝!理樹はオレと昼飯を食べる約束をしてたんだぞ」

理樹「いや、そんな約束してないよ・・・」

真人「何だ?お前となんて約束なんかしてねぇよ。筋肉の塊のような奴なんかと一緒に昼飯なんか食いたくねぇよとでも言いたげだな!」

理樹「なんて言いがかり!?」

理樹はそう突っ込んだ。

謙吾「何わけの分からないことを言ってるんだ」

真人「何だ、謙吾。ヤル気か?」

謙吾がまだ何かを言ったわけでもないのに、すでに殺気を醸し出し始めた真人。

だがしかし、謙吾も健吾でヤル気を出していた。

謙吾「ふむ。暇をしていた所だ。相手もしてやってもよいぞ」

理樹「やばい。真人と謙吾がバトルモードに・・・って、いつの間にか謙吾がリトルジャンパー羽織ってるし!」

葉留佳「さぁ、理樹君。今のうちに・・・」

理樹「え?」

葉留佳が理樹の手をとり、教室から足早に去っていく。

真人「ってこら待てー!!」

真人が謙吾との喧嘩を無視して追いかけ始めた。

謙吾「・・・あれ?」

取り残された謙吾は、1人寂しくぽつんと立っている。

そんな彼らの様子を、誰かが最後まで見ていた・・・。









葉留佳「・・・こっちだよ!」

理樹「ちょ、ちょっと待ってよ葉留佳さん!」

葉留佳に手を引っ張られたまま理樹は、廊下を全力疾走で駆け抜ける。

まるで、駆け落ちしているような場面だった。

理樹「(こんな所見られたら誰かに誤解されちゃうよ)」

理樹は心の中でそう心配してみたが、

真人「待ってくれよー!理樹ー!!」

理樹「・・・本当になんか勘違いされそうだ」

心配が的中しそうな事態まで発展していた。

葉留佳「あっ!開いてそうな教室発見!!」

(ガラッ!)

葉留佳は、その教室の扉を強引に開ける。

あまりに必死だったために、プレートを見るのを忘れている。

理樹「・・・ん?」

上を見上げた理樹は気づく。

理樹「葉留佳さん!ここはまずいって!!」

葉留佳「そんな場合じゃないでしょー!」

葉留佳は入ってしまった。

葉留佳が入るべきではない、禁断の教室に。

そして、そこに待っていたのは、

佳奈多「あら。自らこの部屋にくるなんて。あなたも物好きね、三枝葉留佳」

不気味な笑みを浮かべた、二木佳奈多。

葉留佳「へ?・・・あれ・・・?」

慌てて葉留佳は、外のプレートを見る。

そこにははっきりと、

『風紀委員室』

と書かれていた。

葉留佳「しまったあああああ!!」

理樹「だから言ったのに・・・」

そして、事態は最悪な方向へと展開する。

真人「へへ!もう観念しろ三枝。お前に逃げ場はないぜ・・・って、二木まで?何でこんな所に?」

佳奈多「あなた、この部屋が何の教室なのか知らないの?」

真人「え?・・・あ。風紀委員室だ。っと、そんな事は関係ねぇ!三枝、観念しろ!!」

葉留佳「って、何で私が追われなきゃいけないんですかー!私、何も悪いことしてないですヨー!!」

(ダダダダダ)

美女と野獣は、風紀委員の目の前を、マッハで駆け抜ける。

そしてそのままその部屋を出ていった。

理樹「・・・」

佳奈多「・・・」

取り残された理樹と佳奈多は、今の様子を、ただただ眺めるだけだけしか出来なかった・・・。








佳奈多「・・・なるほどね。あなた達はいつもそんなことしてるのね」

理樹「けど、普段は野球の練習をしてて・・・」

理樹は必死に弁明をする。仲間に迷惑をかけられないので、何とか軽くしようとするのだが、

佳奈多「まぁいいわ。あなたにはいろいろお世話になったわけだし」

理樹「・・・え?」

意外にも事はうまく運ばれた、と理樹は思った。

そして、佳奈多は理樹に尋ねる。

佳奈多「ところで、葉留佳の調子はどう?」

理樹「え?葉留佳さんのことですか?別に普通に元気ですけど」

佳奈多「そう。ならいいの」

佳奈多の顔は、いつもの風紀委員の顔から、実の妹を思う優しい姉の顔へと変わっているのを、理樹は薄々ながら感じ取った。

行動に変化は起きないのだが。

あの日を境に、佳奈多と葉留佳の関係も改善された。

以前は互いを敵同士に思っていた2人だったが、今では誤解も解け、前よりは仲良くやっている。

風紀委員としての追いかけっこは相変わらず続いているのだが・・・。

理樹「二木さんも、リトルバスターズのメンバーになったらどうですか?」

佳奈多「え?」

佳奈多は、理樹の意外な言葉に驚いてしまう。

そんな佳奈多を置いて、理樹は話を進める。

理樹「今の二木さんは、まだ1人ぼっちだと思うんだ。葉留佳さんとの仲は取り戻せたけど、まだ完全にというわけではない。

   だから、リトルバスターズに馴染めば・・・」

佳奈多「・・・私が風紀委員じゃなくなったら、考えてもよかったわね」

理樹「なら、風紀委員じゃなくなった時にもう一度誘ってみても、いいかな?」

(ニコッ)

理樹の笑顔に、佳奈多の心は少し揺らぐ。

理樹「えっと、それじゃあ僕はこれで・・・」

佳奈多「・・・ちょっと待ちなさい」

理樹「へ?」

帰ろうとした理樹を、佳奈多は引き止めた。

いきなり引き止められた理樹は、思わず腑抜けた声を出してしまう。

佳奈多「もう、これ以上私の手間をかけさせることはしないでよね」

理樹「でも、二木さんもまんざらじゃない様子だったけど。葉留佳さんを追いかけてる時とか」

佳奈多「・・・それは、あなたの見間違いよ」

佳奈多は思わず理樹から視線をそらす。

理樹「そんなことはないと思うけど・・・。僕、そろそろ行くね、二木さん」

扉を開けて出ようとした理樹に向かって、佳奈多が小さく、

佳奈多「・・・佳奈多って呼んで」

と呟いた。

理樹「え?」

理樹は聞こえたとも聞こえなかったとも取れる返事をした。

その返事を聞き、佳奈多は更に続ける。

佳奈多「私のことは佳奈多って呼んで。理樹君、葉留佳のことも名前で呼んでるでしょ?あのが苗字で呼ばれることが嫌いであるのと一緒で、

    私も苗字で呼ばれることが嫌いなの。それに、何だか私だけあなたのことを名前で呼んでるのって、負けてるみたいじゃない」

理樹「・・・うん、分かったよ、佳奈多さん」

それだけを呟くと、理樹は扉を開けて、その場を後にした。

佳奈多「・・・何なのかしら、この気持ちは」

佳奈多は、自分の心の中に潜む何かを、わずかながら感じ取れていた。

胸がドキドキする感じ。

それの正体には、未だに気づけないでいた。

そして、佳奈多は一言呟く。

佳奈多「本当に、女殺しなのね、直枝・・・いや、理樹君」








風紀委員室から戻ってきた理樹は、教室の扉を開けようとする。

だが、その教室の中から、なにやら大声が聞こえてきた。

理樹「・・・何だろう」

理樹の心の中で好奇心が打ち勝った。

理樹は教室の扉を開ける。するとそこでは・・・、

真人「謙吾!お前から教わったあのことわざ使ったら、笑われたぞ!!」

謙吾「あれはお前が勝手に間違えただけだろ」

真人「大体なんだよ!猫に小銭って!!微妙に似てるけどちげぇじゃねぇかよ!!」

謙吾「猫に小判って言いたかったんだろうなと思って、その意味を教えただけだ。猫に小銭なんてことわざを教えたつもりはない」

謙吾と真人が喧嘩をしている最中だった。

理樹「・・・なんだ、いつものことか」

と思い、理樹は黙って席に着こうとするが、

真人・謙吾「無視するなよ!!」

という真人と謙吾の理不尽な言葉によって、望まれない形でこの喧嘩に巻き込まれそうになったのだが、

鈴「理樹は関係ないだろ!!」

(ゲシッゲシッ!!)

鈴より繰り出された2発のハイキックによって、真人と謙吾の2人は喧嘩続行できるような状態ではなくなってしまった。

理樹「鈴、いくらなんでもやりすぎ・・・」

鈴「馬鹿はこれくらいしないと治らんからな」

理樹「(いつもそれだけやっても治ってないのは気のせいなのかな・・・?)」

理樹は心の中でそう呟いた。

鈴「ところで理樹」

理樹「ん?どうしたの鈴?」

巨体が2つほど倒れていると言う謎の空間の中、鈴は理樹に尋ねてみた。

鈴「あの約束、まだ覚えてるよな?」

理樹「約束って、放課後にモンペチ買いに行く約束?」

(チリン)

鈴がつけている鈴が音を響かせる。

理樹「うん。覚えてるよ。それじゃあ、4時に校門の前でどうかな?」

鈴「理樹がいいならそれでいい」

鈴の顔は、どこか嬉しげな物だった。

もちろん理樹はそんなことには気づいてはいない。

だが、そんな2人の様子をじっと眺めている人が1人・・・。







そして放課後。

理樹「よし、校門の所まで行かなくちゃ」

席から立ち上がった理樹は、教室の扉の所まで足を運ぶ。

鈴はすでにいなかった。

チャイムが鳴るのと同時に教室を抜け出したおかげだ。

理樹「こういうところが鈴らしいよね。さて僕も行こうか」

と、教室から出ようとした所で、

(ポンポン)

と後ろから背中を軽く叩く音がした。

理樹がその方向を見ると、そこには、

クド「あ、あの〜」

クドがいた。

上目遣いで理樹を見て、しばらく黙り込む。

理樹「・・・クド?」

やがて、意を決したかのように頷き、こう言った。

クド「あの、後で私と一緒に来て欲しいところがあるのですが、よろしいでしょうか?」

理樹「僕に?僕でよければ別にいいけど・・・」

理樹がOKの言葉を出すと、クドはその場でピョンピョン飛び跳ねて、

クド「わふー!嬉しいですー!!ベリーハッピーなのですー!!」

と、大喜びした。

ここで理樹は時計を見る。

時刻は3時50分を指していた。

理樹「あ、ごめんクド。僕今から用事があるから」

クド「あ、はい。分かってます。商店街に行くんですよね?」

理樹「え?あ、うん」

若干戸惑ったが、理樹はクドの言葉に頷いた。

クド「それで、そのついでに寄って来てもらいたい店があるのですが・・・」

理樹「うん。いいよ」

クド「わふー!それじゃあ、待ってますね」

理樹「分かった!」

それだけを言うと、理樹は、教室を出て、走り出した。

クド「・・・リキに食べてもらうのです。その為には、準備が必要です」

クドも教室を出て、目的の場所へと歩いていった。








理樹「お待たせ!鈴」

鈴「遅い!」

理樹「いや、でも時間前なんだけど・・・」

理樹のその言葉を、鈴は華麗にスルーした。

鈴「それじゃあ、行くぞ」

理樹「うん」

こうして鈴と理樹の2人は、モンペチを買いに商店街へと旅立った。

そこに彼女がいることを知らずに・・・。