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朋也君のハッピー!性生活〜渚編・前編〜
                              ・・・・・・・・・・・・・・・鍵犬



ガチャリ。

ドアを開ける。醤油とだしの煮えるどこか懐かしい香りが鼻を突いた。

「あ、朋也君お帰りなさいです」

二人で同棲生活を始めて三ヶ月。昼間、俺は電気工の仕事をし、渚は学校へ行くという生活を送っている。

仕事を始めた当初の肉体的な疲労は想像を絶するものだった。不覚にも家に着くなり築二十年の日に焼けた
畳の上で死んでいる日々が続いた。

台所に立つ渚を横目で見ながら自分の体力のなさを正直恨めしく思ったりもした。

しかし今では、多少の疲れはあるにせよ、以前よりかなり体力に余裕が残っている。たった二ヶ月でこうも変
わるとは人間の適応力というものは実に恐ろしいものだ。

「ああ、ただいま」

渚は料理の手を止めぱたぱたと玄関までやって来た。仕事から帰ってきた俺を渚が出迎えてくれる。それは、
一日の中で最も心休まる瞬間だった。

「すぐに出来ますので、朋也君は手を洗って座って待っててください」

俺は手伝うぞと申し出たが、俺の身体を気遣ってか渚に丁寧に断られたので、大人しく座布団に座って待っ
ていることにする。数分後、ごはん、味噌汁、大根の煮物、ホウレン草のおひたし、お新香といったようなもの
がちゃぶ台に並べられた。

そして質素な献立ではあるけれど、居心地のよい暖かな食卓を二人で囲みながら、俺たちはいつものように
今日あった出来事などを話したりしていた。

「あっ、あのですね、朋也君」

渚が唐突に話を切り出してきたのは、俺が茶碗の中の最後の白米を口に運んだときだった。部屋の空気が少
し変わったような気がした。

「私、今日学校でお手紙を貰っちゃいました」

「へえ、どんな?」

味噌汁をすする。やっぱり味噌汁にはわかめも捨てがたいが、豆腐が一番合う。

「貰った後、隣のクラスに行って上杉さんに聞いてみたんですけど、どうやらラブレターというものらしいです」

ぶっ!!

驚きのあまり口に含んだ味噌汁を吹いてしまった。

「わっ、朋也君汚いです」

渚は慌てて台所に走る。そして、すぐに台布巾を片手に戻って来てちゃぶ台を拭いていた。一方の俺はと言う
と、身構えの無かった分、少しのあいだ呆然としていた。今まで渚のそういったような類の浮いた話を聞いたこ
とが無かったので、なお更だった。

「だ、誰からだよ?」

明らかに動揺している俺。

「二年生の方からです」

渚と同学年である三年生の目には、二つダブっている渚は奇異にこそ映っているが、そのことを知らない
下級生にしてみれば、かわいらしい一つ年上の先輩として映っているのであろう。もしかすると、まだあど
けなさの残る渚の顔立ちは同学年として見えていたのかもしれない。

もっとも、ブレザーの色で学年は分かるわけなのだが。

「二十歳と十七歳か。結構な年の差だな」

「・・・もしかして、朋也君妬いちゃってますか?」

「や、や、妬いちゃってなんかないやいっ!」

明らかに動揺して変な人になっている俺。

現にこのような同棲生活をしているわけだし、渚は俺をずっと好きでいてくれるという自信もあった。しかし、
いざそういう話をされると、いくら信用しているといっても、俺の甲斐性のなさで渚に貧しい生活をしいてし
まっているだけに、どうしても不安に思えてしまう。どうやら、このことを一般的には嫉妬というらしい。

だが、その心配も杞憂に終わった。

渚の両腕が俺の身体を優しく包み込んだのだ。洋服越しに渚の体温が俺の身体に伝わってくる。

ああ、そうだった。渚は俺のことを愛していてくれてるんだ。好きと愛しているは似ているようで全然違う。
これは俺が前に自分で言ったことだった。渚に少しでも不信感を持ってしまった自分を猛烈に後悔した。

「もちろん、その後すぐに二年生の教室に行って、ごめんなさいって言いました。私には私のことを守って
くれる大切な人がいます。その人は私のために一生懸命働いてくれています。私はその人の帰りをお料
理しながら待って、おかえりなさいっていうのが、今一番の幸せなんです。だからあなたとは付き合えな
いですって。」

事も無げに言う。

「・・・・・・・・・」

かなりの爆弾発言だった。聞いてるほうが恥ずかしいとは正にこのことだ。その場にいなかったことを神様
に感謝した。

「で、誰かなんか言ってたか?」

「一緒について来てくれた上杉さんは、渚ちゃんって大人なんですねって言って笑ってました」

多分苦笑いのような気がする・・・。だが、渚の言葉は嬉しかった。

渚は俺を後ろから抱きしめたままコテッと頭を背中に預けた。頭の重みが背中に心地よい。俺は渚に
言葉で答える代わりにゆっくりと渚の手を解き、身体を右にひねりながら抱き寄せ唇を合わせた。

「んっ・・・」

一瞬驚いた顔をするが、渚はすぐに目を閉じた。

数十秒のキスのあと、一度顔を離す。そして、どちらともなく再び唇を合わせる。今度は舌と舌を絡ませる
大人のキス。キスの中でも最高級な愛情表現の方法だ。

「んふっ・・・」

俺の舌に答えて積極的に渚も俺の口の中に舌を伸ばしてくる。俺は渚の小さく可愛らしい舌を吸って
やった。互いの唇を求め合う湿った音がワンルームの部屋に響く。渚の鼻にかかったいつもと質の違う
声を聞いていると、股間の部分が熱くなってきた。

長いキスの後ゆっくりと口を離す。口を離すと、二人の唾液が混ざった細い糸が部屋を照らす電球の光で
きらきらと光っていた。渚の顔も赤く火照っている。

「渚っ!」

俺はそのまま畳の上に渚を押し倒し、そのまま上着の中に手を入れブラジャーごとまさぐった。今度は渚の
体温が直に伝わってくる。

渚は小さな声を上げ俺の腕をそっと掴んだ。

「あっ・・・朋也君・・・だめです。私まだ、お風呂に入ってません・・・、それにご飯の後片付けあります・・・」

俺の手は渚の制止を振りほどきなおも胸をまさぐり続ける。

「今日ぐらい、別に風呂入ってからじゃなくても大丈夫だよ」

今日ぐらい・・・

俺と渚がはじめてエッチをしたのはここに二人で住んでからもう少しで二ヶ月になるころだった。渚は小さく
頷き、俺を受け入れてくれた。もう、無我夢中だった。

初体験のとき、渚は大きな目に涙を溜めて痛みを堪えながらだった。だが、その日から二回三回と回数を
重ねていくうちにだんだんと女としての喜びを知り、五回目には初めて絶頂に達した。

今では、俺か渚がよほど疲れているとき以外は毎日のように肌を重ねていた。

やりたい盛りの若い男女が一つ屋根の下で暮らしているのだ。こうならない方が不自然と言うものである。

「でも、汗も少しかいているのでお風呂に入りたいです。その・・・・、匂いとかも気になりますし・・・」

渚の匂い・・・、想像してみる。

(・・・・・・・・・)

(・・・・・・・・・)

(いい!!)

「朋也君、なんかエッチな顔してます・・・」

「はっ、そんなことはないぞ」

我に返る。

「俺は、渚の匂いも大好きだぞ」

渚の顔がさらに赤くなる。一旦、渚の上着から手を抜く。そしてじっと見つめあう。二重まぶたで大きく黒目
がちな目、決して高くはないけど、可愛らしく自己主張する鼻、そして桜の蕾のように可憐な唇。

たまらないほどの愛しさがこみ上げてくる。

「渚・・・」

「朋也君・・・」

俺は再び渚を力いっぱい抱きしめた・・・・と思ったら渚はごろんと横に転がって俺の手を交わしていた。

「ありゃ」

渚に肩透かしをくらい、俺はそのまま畳の上に滑稽に転がる形になる。そんな俺をよそに渚はむっくりと起
き上がり、洋服の裾を直していた。

「あの・・・やっぱり、お風呂に入ってからにしましょう。私後片付けしておきますから朋也君先に、お風呂に
入っちゃってください」

「お前意外と素早いのな」

渚が食器を重ねて台所に運んでいく。

俺は自分の身体をくんくんと匂いを嗅いだ。ほんのり甘い渚の香りに混じって汗の匂いがする。もちろん
渚のではなく俺のだ。確かに、これで女の子を抱くというのは少しデリカシーにかけるかも知れない。

(やっぱり、風呂くらい入っておくか)

悶々としたまま、立ち上がりタンスの中から着替えと下着を引っ張り出す。

それでも諦め切れず、試しに渚に向かって捨てられた子犬のような目をして見る。その視線に渚が気づい
た。

「・・・そんな目をしてもダメですっ。朋也君エッチですっ」

やっぱり、ダメだった・・・。俺はあきらめて大人しく風呂に入ることにした。

「じゃ、先に風呂はいるからな」

「ゆっくり入ってください」

渚はいつものように俺に優しく微笑みかけた。




−中編に続け!−