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 ぴちゃん
「わ…」
 鼻先にいきなり落ちた水滴に、藤林椋は軽く悲鳴をあげた。
 見上げると、白い天井に防水された蛍光灯。
 水滴は、その天井に結露した湯気の末路だった。
「びっくりした…」
 ざばー、と湯船から上がる。
 そのまま上がろうとして、躊躇った。
 目の前には鏡。
 一糸纏わぬ少女の裸身がそこに映っていた。
「……」
 じっとその姿を見つめる椋。
 すると鏡の中の少女もじっとこっちを見返してきた。
 鏡の中の少女は、紫がかった髪をショートにしていた。双子の姉に比べると小柄で、すらっとした感じはしない、と椋は思った。
 もっとも、それはあくまで比較論であって、精緻なバランスをとって伸びる四肢は、絹地の滑らかさで水滴をはじいていた。やや小ぶりの尻から上に辿っていけば、抱きしめたら折れてしまいそうな細い腰があって、やがてたわわに実った乳房が現れる。
 椋が朋也を虜にしてやまない、その肉体である。
「――うん」
 頷く。
 丹念に、洗いに洗った身体には汚れひとつない。
 そのことを確かめてから、椋は浴室から脱衣所へ出た。




     "Because of Love."   Side R





 藤林家の家計はしっかりしている。
 父はそこそこ有名な商社の管理職。職場はこの田舎町よりももっと賑やかなところにある。
 母は地元の小さな編集者。とはいえ精力的に働き、家に入れる額は決して少なくはない。
 そんなわけで、双子の娘の部屋にもそれぞれ十何インチのテレビを置いてやるくらいならば朝飯前なのだ。
 カキーン!
 スピーカから快音が響いた。
『打った――っ!! レフトへっ! 伸びるか、伸びるかっ! …はいったぁ――っ!!
 キヨハラ、今シーズン二桁第一打目をサヨナラホームランで飾りましたっ!』
 わぁぁぁぁぁぁ――。
 レフト側の観客が沸き立っている様子を、岡崎朋也はベッドを背もたれにぼーっと眺めていた。
 どこか遠い世界の出来事のように感じる(←実際、そこそこ遠い)。
 所在無いまま、何気なく視線を映すと、机の上の写真立てが目に付いた。
 背景は青い海と蒼い空、それに白い砂浜。
 恋人の肩を抱く朋也と、恋人の腕を控えめに取る椋の姿があった。
 微笑ましい、夏の思い出だ。
 が、今朋也が目を引かれたのは、その椋の格好だった。
 フリルのあしらわれた、黒いビキニ。
 無論、その姿は椋のスタイルの良さを存分に伝えてくれる。
「何だかな…」
 そこに目がいくのも、今は仕方ないと思う――と、朋也は誰にともなく自己弁護した。
 こんこん。
 控えめなノックの後、扉がきぃ…と開かれた。
 いつも通り、おずおずと顔をのぞかせる椋。
「あのな…自分の部屋なんだから遠慮なんかするなって」
 彼女らしい行動に苦笑する朋也。
「は、はい。そうですね」
 とことこと歩いてきて、朋也の隣にぽす、と座る。
 ふわ、とシャンプーの芳香が朋也の鼻をくすぐった。
 隣の彼女との距離、十センチ。
 わけもなくパジャマの裾をいじっていた椋は、物言いたげにその隙間を見ている朋也に気づく。
 ちら…と、真っ赤な顔で寄越す視線。
「…ほら、こっち来い、椋」
 またも"らしい"彼女に苦笑すると、朋也は椋を後ろからかき抱くように抱きしめた。
「ぁ…ぁぅ……」
 もじもじする椋。
 生来の気質か、何度肌を重ねても、この反応は変わらない。
「ん、相変わらずいいニオイだ」
「…お、お風呂あがりだから……」
「"相変わらず"って言ったろ? 椋はいつもいいニオイじゃないか」
「と、朋也、くん…」
 へそより少し上で交差された手に、椋は自分の手を重ねた。
 そうしてから、恥ずかしさをごまかすためにテレビを見る。
 ヒーローインタビューも終わって、ビールのCMが流れていた。
 ぷつん
「あ…」
 朋也がテレビを消した。
 そのまま、ぐいと抱き上げられる。
「わ、わっ…」
 ぽすん
 朋也は、椋を抱いたままベッドの上に軟着陸した。
「と、朋也くん…」
「まだ嫌か?」
「そ、そうじゃ、ないですけど…」
 俯いてごにょごにょと、
「久しぶりだから、すこし、どきどきして…」
「まぁ、久しぶりだな」
 俯いたために、今朋也は、椋のうなじを目の前にしていた。
 ほんのり色づいた肌。
 呟くセリフの幼さに反して、昇り立つ色香。
 ――朋也は、それに反応してしまった。
「あっ…」
 抱きしめられているのだから、当然椋はその、朋也の下腹部の異変に気がついた。
「わ、わりぃ、椋。なんか思わず…」
「い、いえ…」
 椋はやんわりと朋也の腕から離れると、その部位をじっと見た。
「お、おい…?」
 この恋人は、たまにとんでもなく大胆なことをやってのけることがある。いわゆる天然で。
「あの…ひょっとして朋也くん、つらい…ですか?」
「ん…ま、な。…あー、なんつーか、自分でもしてねーし」
「……なら…」
 椋はパジャマのボタンに手をかけた。
 何度も見ているはずなのに、思わず息を呑む朋也。
「なんか俺もどきどきするぞ…」
「そ、そうですか…?」
「ああ…。場所が場所だしな」
 今夜は彼女の両親も、そして姉もいない。
 だからこそこんなことが出来るわけだが。
「んしょ…」
 最後のボタンも外して、パジャマの上を脱ぐ椋。
「う…」
 下着は、ビキニと同じ黒だった。
「いつも通り、その……む、胸でします…。…い、いいですか?」
「あ、あぁ、うん…」
 いつもよりもいきなり積極的になった椋に戸惑いつつも、パジャマの下を下ろす朋也。
 朋也の怒張は、彼自身が少し恥ずかしくなるくらいに張り詰めていた。
「……」
 顔を真っ赤にしながらも、ブラのホックに手を伸ばす椋。
 外れると、自由になった二つの乳房が揺れた。
「な、なんかいつもより積極的だな、椋…」
「えっ、えと…その……」
 外したブラをきゅ、と握って、
「朋也くん、我慢してくれてたから…」
 自慰をしていないということを指しているようだった。
「それに…朋也くんにいっぱい可愛がって欲しいから、ひとまず楽になってもらおうと思って…」
 そっちが本音らしい。
「ぁ…えと…。わたし、えっちな上に勝手ですね…」
 恥ずかしかったり、申し訳なさそうだったり、その間に見え隠れする求める表情だったり――そういったものが、朋也の本能を直撃した。
「んむ…」
 深く、唇を奪う。
「んっ…んーっ、んぁ…ぷはっ」
 いったん開放してやると、朋也は椋と瞳を合わせた。
「この通り、俺はえっちなのは大好きだから大丈夫だ、椋」
「朋也くん…」
 再び、今度は双方から、唇を合わせた。



「えと…じゃあ、始めますね…」
「ん…」
 ベッドに仰向けに横たわる朋也の股の間に、椋が近づく。
 おずおずとした動作で、白い繊手を朋也の怒張へと伸ばした。
 ぴくっ
「っ…」
「あ、あ、えっと…」
「す、すまん。ほら、久しぶりだからさ」
「は、はい…」
 もう一度触れなおすと、そのまま軽く握り締める。
 ぴくぴくとした反応が返ってきた。
「ん…」
 そのまま、手で上下に擦る。
 既に臨戦状態だったそれは、たちまち先走りの液を分泌し始めた。
 ぬちゅ…くちゅ…
「う――」
 思わず朋也はうめいた。
 ここしばらく味わっていない感触だからということもあるが、なにより、おずおずとしながらも一生懸命な仕草で彼のモノをしごき、時折これでいいのかどうか不安になって見上げてくる椋が目の前にいる。
「ん…」
 竿を扱き立てる手を一時休め、椋は顔にかかる髪を払いながら――その顔を朋也の股間に寄せる。
 ぺろっ…
(う…)
 当人は緊張で乾いた唇を潤した、ただそれだけなのだろうが――今からその口で自らの怒張を慰めてくれようという少女にされたその仕草は朋也には強烈だった。
 その陶酔から立ち直る間もなく、椋のちろちろと伸びた可愛らしい舌先が、朋也の亀頭に触れた。
「うぉ…」
「ん…ん、ちゅ……ぁ…」
 先端の割れ目を下でねぶると、唇をすぼめて亀頭に吸い付く。
 ちゅっ、ちゅるっ…
「んちゅっ……ん、朋也、くん。気持ちいいですか?」
「あ、ああ…」
 呆けた返事しか出来ない。
「あ…えと、つ、続けますね」
 椋は今度は大きく口を開け、朋也の怒張を口腔に飲み込んだ。
「んぐ…じゅる…。っ、ふぐ、じゅるるる…」
 ことさらに唾液を分泌して、潤滑油とする。いやらしい音をかき鳴らす元だ。
「んぐ、じゅぱっ…。ん、じゅぷっ…」
 朋也のものはあっという間にカウパーと椋の唾液まみれになっていった。
「うぁ…椋…」
「ふ、ぐ……は、はんれふか、ふぉもあふん」
「うぁぁ、咥えたまましゃべるな!」
 いきなり且つこれまでとは異質な刺激に、朋也は達してしまうところだった。
「椋、そろそろ…」
「ぷぁ…は、はい」
 得心がいった様子で一旦フェラを止めた椋は、照れながらも少しはにかんでみせた。
 そして、両手でその豊かな乳房を持ち上げる。
「そ、それじゃ、ぁ…」
 ふにゅ、と音がしそうなほどの弾力が、全方位から朋也の怒張を包んだ。
 椋の乳房と朋也の陰茎の間で、ふたりの液がにゅぷ…と音を立てた。
 それを始まりの合図のように、椋はその乳房を動かして朋也のものをしごきたてた。
「くぅ…」
「ん、はっ、はぁっ…」
 じゅく、にゅるっ、じゅぷっ…
 いつの間にか、朋也も自ら腰を動かしだしている。

「はっ…。 はぁんっ?!」
 椋が一際高い嬌声を上げた。
 朋也が、彼女の乳房の先端に愛撫の手を加え始めたのだ。
「ふ、ああっ、と、ともや、くん…そこはっ」
 いつの間にか、主導権が入れ替わっていた。
 もはや上下は逆転し、朋也が椋を押し倒す形で、自らを椋の乳房の谷間に突き立てている。
 にゅるっ、にゅぶっ! にゅぶっ!
「う、あ…り、椋、俺…イきそうだ…」
「ふ、ぁぅ、はい、どうぞ…っ」
 怒張が一際大きく膨れる。
「うっ…」
 朋也が陰茎を引き戻しながら達した。
 びゅるっ、びゅくっ…
 大量の精液がびちゃびちゃ、と椋の肌を叩いた。
 あっという間に椋の胸部はその白濁液で汚れてしまった。
「はぁ、ぁぅ……熱い…ともやくんの……」
 朋也に奉仕したまま椋は乳房を手で抑えていた。が、くたっと弛緩してそれも緩む。
 豊かな谷間に溜まっていた精液が、どろどろと山の斜面を滑り落ちていった。



「これで…いいか?」
「あ、はい…」
 白い濁りの最後の残滓が、椋の乳房の上からふき取られた。
 自ら放出した精液を拭ったティッシュを、朋也は丸めてゴミ箱に捨てた。
「あの、と、朋也くん…」
「ん、どうした?」
「そ、その……気持ち良かった、ですか?」
 一糸まとわぬ姿のまま、不安げに上目遣いで訊ねる。
 …朋也には少しばかり威力がありすぎた。
「あ、ああ…」
「あ…よ、良かったです」
 ほっとしたように息をつく椋。
 急に気持ちが膨れ上がって、朋也は椋を抱きしめた。
「あ…わわ…」
「椋」
「は、はいっ…」
「好きだ…」
「ぁ…あっ」
 そのまま、ベッドへと押し倒す。
「気持ち良かったよ、椋。
 だから、お返しをしてやる」
「と、ともやく…ふぁっ!」
 秘所に手を這わせると、そこには蜜が溢れていた。
 くすぐるように、蜜溜りをかき混ぜながら撫でまわす。
「ひ…っん、あっ…」
「椋、めちゃくちゃ濡れてるぞ」
「ぁぅ…言わない、で、くださ……んっ」
 秘裂に沿わせるように指を這わせながらも、朋也は椋の顔から視線を外さなかった。
「んっ…ともやくんっ……」
 加速する快感に身体を震わせる椋。朋也はより密着して、彼女の華奢な身体を抱きしめた。そして、艶やかな髪を梳いてやる。椋が力を抜いていくのがわかった。
 そこで、割れ目を開けて指先を押し込む。
「っあ?!」
 つぷ…
「あああっ!」
 朋也の腕の中で、椋の身体が大きく仰け反った。ちょうど緊張が弛緩した瞬間を狙った朋也の攻撃は利いた。
「あん、ふぅぅ、んああっ!」
 ずぶっ、つぷぷ…
 徐々に指しこまれる指の深さは増していく。
「はぁっ、あん…」
 少し手を休めてやると、息を切らしながら、頬を上気させた顔で椋が朋也を見た。
「んふぅ……」
 大きく吐息をつく。
 その表情に、朋也の股間のものが一気に硬度を増した。
「ぁ……」
 椋もそれに気づいた。
 下腹部にあたる恋人の性器が、どくどくと脈打つ様子が伝わってくる。
「ん……」
 今度は椋が朋也を押し倒した。
 そのまま後方を向いて、朋也の怒張に手を伸ばす。
 シックスナインの態勢だった。始めは驚いていた朋也も、椋の秘所への攻めを再び始める。
 ぴちゃ…
「あんっ!」
 いきなり突き入れられた舌に、椋の身体が跳ねた。
「うあっ…」
 その弾みできゅっ、と朋也の怒張が握り締められる。
 朋也が突然の刺激に驚いている間、椋は口をあーんと開けて朋也のものをくわえ込んだ。
 べろべろ…
「ふぁ、あむっ…んんっ…」
 亀頭を舐りまわして唾液を分泌すると、
「じゅぶ…じゅるるる……」
 前置きもなしにディープスロートを始める。
「じゅ、じゅぶっ、んっ、んっ、んはっ…んぐっ」
 頭を上下させ、最大限の刺激を椋は与えようとする。
 じゅぶじゅぶと奏でられる淫靡な演奏に合わせるかのように、豊かなふたつの乳房が、激しくぶるぶると揺れていた。
「ぐぅ…」
 一回目を放出した後だというのに、朋也は達してしまいそうになる。
「くそ…またお返しだ…」
 ずぷっ!
「ふぐぅっ?!」
 リンパ線が心配になるほどとんがらせた舌を、秘所に押し込む。
 れろれろと動かして、椋の一番大切な所を蹂躙してやる。
「ふぐぐっ、んんんん――っ!」
 どろどろと、椋の蜜はとめどなく溢れてきた。
「んんっ! …んっ、じゅぶ、じゅるるるるっ!」
 対抗するかのように、椋も攻めを加速させる。
 喉奥まで朋也を飲み込んだ、その中でさえ舌を動かして性感を刺激する。
 ぴちゃ、ぴちゃっ、つぷぷぷ…
 じゅぶぶっ、れろれろ…じゅるるる……
 二人の男女は、お互いの秘所に自らの顔を突き立て、獣のように快感を貪った。
「んっ…ぷはっ」
 久しぶりに肉棒から口を離した椋は、酸素を求めて大きく喘いだ。
 そのまま、奉仕を再開しない。
 同じく攻めの途切れた秘部の煩悶を表すかのように、微かに身をよじる。
「と、朋也くん……そろそろ…」
「ん…? 何がだ?」
 わざとらしく聞いてやる朋也。内心は先に根負けせずに済んだ安堵でいっぱいであったが。
「ぁ…ぁぅ…」
 秘所はどろどろで、今も愛液を分泌しつづけていたが、恥ずかしがってうつむく椋。
「そ、の……ほ、欲しいです…っ」
「欲しい? 何がだ?」
「ぅぅ〜…」
 椋は内心むくれた。
 彼がこうやって焦らすのはいつものことだし、要は椋にわざとえっちなセリフを言わせようとしているのだということは、もう承知している。
(朋也くん、いじわるです…)
 火照りきった身体は今も快楽を求めつづけ、彼女の意識を翻弄しているのだ。
「と、朋也くんの…」
「ん、なんだ?」
「朋也くんの、おっきくなったおちんちんを…ぐちょぐちょになった、わたしのおまんこに……何度も何度も入れてほしいです…」
 朋也から普段要求されるような言葉にさらにプラスして、死にそうなほど恥ずかしいせりふを椋は言ってのけた。
 予想以上の大胆なせりふに、朋也は息を呑む。
 これなら良いですよね…と、潤んだ瞳に見上げられては、我慢も限界だった。
「椋…」
 身を起こして、また朋也が上になる。両足を押し広げて、朋也は椋の割れ目を見つめた。
「ともや、くん……」
 椋はベッドのシーツをきゅっと握った。挿入の感覚に耐える準備だった。
「入れるぞ…」
「はい、きてください…朋也くん…」
 硬化した肉棒の先端が椋の股間を探っていく。
 やがて、自らが入るべき場所を見つけた。
 ずぷっ…
「んっ…!」
 椋の身体が跳ねた。
 細い腰がしなり、乳房がぷるんと揺れる。
 おまけに内部の肉襞がぎゅっと絡み付いてきた。
「く…ぅ」
 久しぶりの椋の中の感触にうめく朋也。
「と、朋也くん…?」
「すげぇ締まる…椋の中。…う、動く、ぞ」
「ん…は、はい…ああっ」
 ずぶぶ…じゅぷぷ…
 どんどんと突き入れられる朋也の怒張に押し出されて、椋の膣はとめどなくその蜜を溢れさせた。
 シーツがあっという間にびちょびちょになり、これまで以上に濃密な、椋のニオイが立ち昇る。
 その香りは朋也の理性を揮発させ、一匹の雄へと変貌させていくものなのだ。
 ずぶぶっ!
「ふああああっ!」
 突如、朋也が進行速度を上げた。押し込まれた分の圧力を逃がすかのように、椋が声高く鳴く。
「んぐっ……はああ…ああ……」
 最深部に到達。
 子を宿す器官に最接近している熱のカタマリが、椋にははっきりと知覚できた。それがびくんびくんと脈打つたびに、彼女の膣内は快感で打ち震える。
 ず…ずずぶぶ…ずるる…
「んはああ…っ、…ああっ…」
 朋也のものが徐々に引き抜かれていく。
 が、それは完全に椋の中から脱出せず、亀頭だけを膣内に残して留まると、
 再び突き入れられた。
 すぶううっ!!
「ひゃあああああんっ!」
 びくん、びくん――
「ぅ、ああ…っ」
 挿入のときよりも遥かに高く椋が叫んだ。
 椋の秘部が猛烈に脈動し、朋也の怒張を食いちぎらんばかりに締め付けながら、濃密な愛液を噴射させる。
「あっ、ふぁ……ああ――…」
 椋の全身を襲っていた快感の脈動が、徐々に収まっていく。
 後には、ぼーっとした瞳で荒く息をつく椋を残した。
 ずにゅ…
 朋也はひとまず自分を椋から引き抜いた。
「椋…」
 彼女の額から滴る玉の汗を拭ってやる。
「はぁ、あぁ…朋也くん……はぁ…」
「イっちまったな」
「〜〜〜〜っ…」
 改めてそう明文化されて、椋は顔を限界まで真っ赤にした。
「と、朋也くん…がっ…」
「俺が?」
「だから、そのっ…」
「俺が、何だって?」
「…もっ、もういいですっ…」
 ぼふっ、と顔をシーツに埋めてしまう椋。
 しかし、ばばっとすぐに起き上がった。
「あの…」
「ん?」
「朋也くん……まだでしたよね…」
 自分の愛液を滴らせたまま、屹立している怒張をじっと見つめる椋。
「お、おい椋…そんなすぐに大丈夫か?」
「け、けど朋也くんに我慢させることに…」
 ぶっちゃけ無茶苦茶中断にやきもきしていた朋也は言葉に詰まった。
「ほら…朋也くん」
 椋が朋也にしなだれかかってきた。
 そのまま、後方へ押し倒す。
 まったく強い力ではなかったが、朋也は逆らえなかった。
「わたしがしてあげます…」
 朋也の腹部をまたぐようにしていた椋は、そのままずりずりと後へ移動していった。
 柔らかい尻の感触が腹部の皮膚を撫でていく。
「朋也くん、おあずけされた子供みたいで、かわいいです」
「なっ――」
「ふふ…」
 珍しく主導権を握られていると、朋也は思った。
「んっ…」
 椋は腰を持ち上げ、そろそろと自分の割れ目を朋也の股間に下ろしていった。
 ず…ずず…
「んふ、ああっ…」
「ぅあ…」
 朋也はうめいた。
 慣れないことをしているらしく、椋の身体には妙に力が入っていた。
 それは膣内には、いつも以上の締め付けとして現れている。
 ずぶぶ…
「んん……ンッ…」
 見上げる椋の顔は、快感を堪えているさまがとんでもなく…凶悪だった。
「ん…全部っ、入りました……」
「ああ…。動いてくれ、椋…」
「はいっ……」
 ずっ、ずっ、ずぶ…ずぶぶっ
「んっ、はっ、はあっ、んああっ」
 椋の腰がみだらに動いて、朋也の肉棒が出し入れされる。
 時おり、ぱつんと椋の桃尻がぶつかる音が混じった。
「ぅぁ…椋っ…」
 次第に、朋也も腰を動かしだす。
 ずぶっ! ずぶっ! じゅぶぶぶっ!
「はぁっ、ともやくん、ともやくんっ…」
 いやいやをする子供のように首を振りながら、椋は朋也の名前を連呼した。
「椋っ…」
 高まってきているのが自分でもわかった。
 ずぶうっ!
「んああああんっ!」
「っ…はっ…可愛いぞ、椋…」
「ともやくっ、んっ、んあああっ!」
 椋の締めつきがその強さを一段とましてきた。
「くぁ…椋、そろそろっ――」
「ともやくん…んっ、な、か、にぃっ……」
 瞑っていた目を開いて、椋は懇願した。
「だいじょうぶな日だからぁ…っ、なかにだし…っ――ああっ」
 騎上位のまま、自らの膣内に射精を欲する椋。朋也の最後の理性が吹き飛んだ。
「椋っ、椋っ!」
 ずぶっ! ずぶっ! ずぶっっ! ずぶうっ!
「ひぁ! ああっ! んああっ! ふあああんっ!!」
「ぐ…出すぞっ」
「ふ、ふぁぃ、ともやくんっ! わたしのっ、なかに…んあああっ!」
「ぐっ…!」
 ずぶううううっ!
 深く突き入れた瞬間、朋也は果てた。
 びくっ――びゅくっ! びゅるっ! びゅくうっ!
「あああああんっ!! あ、ああ――っ!」
 大量の熱塊の奔流に、椋も呑まれた。
 不随意的に全身が痙攣し、注ぎ込まれる朋也の精液に思考が吸い込まれそうになる。
「うああ…っ!」
 びゅびゅっ! どくどくどく…
 またも達した椋の膣内が最後の締め付けをしてくる。朋也の怒張は、その張力の源であったどろどろの液体を、余すことなく搾り取らんと締め付けられた。
「く…っぁ…」
 びく、びくっ…
 本格的な射精は途切れても、肉棒はまだ時おり脈打ち、精液を椋の膣内に吐き出しつづけた。
「ふぁぁ…ぁぁぁ…ん…」
 弛緩した椋が、朋也の上半身にもたれかかるように倒れこむ。
 接合のぐあいが変わったせいで、朋也のものに大部分を占有された割れ目の隙間から、どろどろと精液がこぼれ落ちてきた。
「あぁ…ともやくぅん…」
 力が抜けた声。椋の可愛らしい声はそれを甘ったるく響かせる。
「気持ちよかったぞ、椋…」
「ぁ……」
 朋也は椋の背中に手を回して、抱きしめた。
「えへ…」
 恋人の表情に、はにかむ椋。
 そのまま二人は顔を寄せ――唇を重ねた。
 舌を交わし、唾液を交わし…
 接合が離れることを拒むかのように、ふたりは長いキスをしていた。



 ぴちゃん
「うおっ」
 朋也の驚いた声に振り返ってみると、彼は浴槽に漬かりながら鼻先を擦っていた。
「朋也くん?」
「結露だ…」
 椋は目をぱちくりさせた後、ふふっと笑った。
「笑うなよ…」
 朋也はその笑いの真の意味は判らず、憮然としていた。
 ざばー…
 お湯をかぶって、全身のボディソープを洗い流す椋。
 それから、浴槽に足先を伸ばす。
「えと…お邪魔します」
「おう。…よいしょと」
 朋也が開けたスペースに漬かろうとして、
「ぁ…ぅ…朋也くん…」
「あ、わ、悪ぃ…」
 朋也は目の高さになった椋の茂みを思わず見つめてしまっていた。
「ん…」
 肩までつかって、朋也と横並びになる。
 肩が触れて顔を見合わせると、ふたりとも笑った。

「気持ちいいー…」
「おばさん臭いぞ、椋」
「ぅぅ…朋也くん、意地悪です…」
 浴槽の中でも顔を俯かせる椋。
「だって…すこしですけど、腰とか痛くて…」
「う…」
 原因は明らかなので、今度は朋也が言葉につまる番だった。
「一晩に…その、三回もしたのって、初めてだったから…
 いまも、朋也くんのが入ってるような感じです」
「……」
 ――なぜこの娘は天然でこうも破壊的なせりふを言えるのだろう、と朋也は思った。
 ただ、さすがにもう一度コトに及ぶまでの余力はなかった。
 なにせ、あのまま二人は結合を解かずに、椋の言葉通りあと二回、達しあったのである。まさに若さと愛の成せる業であった。
「…疲れたか?」
「えと…少し。けど、その……すごく、気持ちよかったです…」
 椋の肩に、朋也の手が回った。
「あ…」
「椋はエッチになったな…」
「ぁ……ぅ……そんな…」
 相変わらず椋をからかって楽しむ朋也だったが、
「ちがいます……朋也くんとえっちなことするときだけ、えっちになるんです…」
 椋はよりぴったりと朋也にくっついた。
「椋…」
「朋也くん…」
 目線が合うと、今度は唇が合わさった。
 まだまだ余力があったな…
 朋也は胸の内でそう訂正した。



     ― § ―



「ふぅ…」
 藤林杏は、自宅の玄関先で靴を脱ぎながら、深く息をついた。
 それでも、身体中にまとわりつく疲労は消えない。
 しんとした廊下。
 電気は灯っていたが、人の気配はまったくなかった。
「はぁ…」
 もう一度ため息。
 壁の時計は、すでに十二時を回る時刻をさしていた。
 彼女の両親は今夜は帰ってこないが――そうでもなくとも、就寝していておかしくない時間帯なのだから、人気がないのは当たり前だった。
 重たい足取りで二階へ昇る。
「……」
 自分の部屋――の隣に、もうひとつドアがある。
 双子の妹の部屋。
「………」
 そっとノブを回すと、鍵は開いていた。
「不用心ね…」
 中には、静かな寝息が二つ。
「……」
 わかっていたことだ。
 玄関に見慣れない男物の靴があったし、そもそも椋から今日の予定は聞かされていた。 杏は静かに部屋を出て、自分の部屋に入った。
「……っく……
 ……ぅ、ぅ……ぁ……ぐす…ぅ…」
 そして、声を殺して泣いた。